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中ロ、“米国の裏庭”南米諸国と関係強化図る BRICS銀行や大型プロジェクトに海外注目

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中ロ、“米国の裏庭”南米諸国と関係強化図る BRICS銀行や大型プロジェクトに海外注目

 2011年に米国とカナダ抜きで設立された、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)の誕生を許した時点から、米国の中南米における影響力は陰りを見せ始めた。その空白を埋めようと活動を活発化しているのが中国そして最近のロシアである。

【中南米の中国とロシアの動き 】
 ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体をマクロと見るならば、それを構成しているミクロのひとつがメルコスールである。ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ベネズエラで構成される2億7500万の人口を抱える共同体である。この共同体に対して中国とロシアが影響力を増している。

 中南米のアメリカ・エコノミカ紙によると、中国のラテンアメリカ諸国への借款は2005年から2013年の間におよそ1020億ドルで、その内の550億ドルが原油確保の為にベネズエラへ向けられたものである。中国はメキシコ、ベネズエラ、ペルー、ブラジル、アルゼンチンとの戦略的連携を強化しようとしており、それは米国のアジアにおける影響力の増大を牽制するものである、との中国研究専門家マーク・スゼパン氏の意見を同紙は伝えている。

 一方のロシアは、ドイツのD.W.紙によると、旧友であるキューバとの関係改善のために、まずソビエト連邦の時代からの累積債務の90%に相当する350億ドルを帳消しにし、キューバが返済する残りの10%はキューバの発展の為に使うとしている。そしてブラジルとアルゼンチンには兵器の供給、さらにブラジルについては、ロシアの国有通信社のRIAノーボスチによると、将来的には戦闘機などの共同開発も視野に入れている。アルゼンチンについては、同国のラ・ナシオン紙が、ロシアの協力を得て原子力発電の建設にも関心を示している、と報じている。またチリのラ・テルセラ紙は、ロシアとベネスエラは2005-2007年に44億ドルの兵器供給の契約を交していている、と報じている。

【BRICSの開発銀行創設 】
 今週開催されたBRICSの首脳会議で「BRICS開発銀行」の創設が決められた。IMFに頼らない金融機関の創設であり、これはまたBRICSのドル以外の通貨での取引を促進させる第一歩でもある。

 16日までブラジルのフォルタレザで2日間開かれたBRICS首脳会議で設立が決まった開発銀行、各国が500億ドルを出資する。本部は一番経済力のある上海に置くことが決まり、初代総裁はこの開発銀行の設立を最初に考え出したインドを尊重して、インドから選出されることになった。そして執行部会の議長にはロシア、執行役員のトップはブラジルが担当する。

 スペインのエル・パイス紙にて、ブラジルのルセフ大統領の「この開発銀行の創設はIMFに対抗するものではなく、我々メンバー国の為につくるのである」「世界は相対的な流れになって来ており、それぞれの機関もそのようになって来ている」との発言が報じられている。また同記事の中でブラジルの貿易連盟会長のホセ・アウグスト・カストロ氏は「BRICSは世界のGDPの5分の1を担い、世界の人口の40%を占めている」と述べ、更に「今回の開発銀行の創設はBRICSがIMFや世界銀行と対抗出来るほどに充分に成長したこと示す証しである」と述べている。

 スペインの経済誌エクスパンシンによると、この首脳会議ではまた1000億ドルの経済支援基金も創設されることが決まった。それに中国は410億ドル、ロシア、ブラジル、インドはそれぞれ180億ドル、南アは50億ドルをそれぞれ拠出するとしている。同紙の中でルセフ大統領は「この基金は我々5ヶ国とそして他の諸国の経済面の保護を目的とするものである」と述べている。

 いずれにせよ、今回の開発銀行と経済支援基金の創設は次のモスクワ会議でさらに具体化が進められて行くであろうが、メンバー5ヶ国以外の国をも支援の対象にしているという点は今後のBRICSの世界に与える影響力という面で重要である。

 その意味で、アルゼンチンのBRICSへの加盟を中国が特に希望しているというのはBRICSの影響力の拡大を狙った第一歩である。

【中国への敵対意識がブラジルで生まれている】
 南米での影響力を拡大する中国だが、問題がないわけではない。ペルーのRPPニュースによると、ブラジルの労働コストが急激に上昇しており、2005年から公表されている700億ドル余りの中国の投資プロジェクトが凍結している。また「中国がブラジルの土地や油田や鉱山の開発プロジェクトを買収することにブラジル国民は自分たちの国が侵略されているように感じて中国への敵対意識が拡大している」と同紙は報じている。さらに、「例えば、大豆の加工処理設備でも当初中国側が約束していたプランの15%しか実行に移されていない」としてブラジル側の関係者は中国側へ不満を述べていることなども同記事で報道されている。

 今月の25日から予定の安倍首相のメキシコ、コロンビア、チリ、ブラジルへの訪問の主要目的はTPPへの日本の加盟を見据えた太平洋同盟との関係強化である。同時に日本と歴史的な繋がりの深いメルコスールのメンバーのブラジルをそれに加えているのは今後の日本外交を考える上で重要である。

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(Newsphere編集部)

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