日本、北朝鮮との対話姿勢崩さず ミサイル「ノドン」発射には厳重抗議のみ

 北朝鮮は26日未明、日本海に向けて、中距離弾道ミサイル「ノドン」2発を発射した。ノドンの発射は2009年以来5年ぶり。各国への事前通知も行っていなかった。

 ミサイル発射のタイミングは、オランダ・ハーグの「核安全保障サミット」に伴って実施された、日米韓首脳会談の最中であった。首脳会談のテーマは、まさに北朝鮮核問題などへの対応であり、こうした動きへ北朝鮮が強く反発したとみられる。

【国連安保理で協議へ】
 国連の安全保障理事会は、28日に緊急会合を開くことを決めた。安保理決議に違反した北朝鮮のミサイル発射に対し、非難声明などを協議するとみられる。

 ただし、朝日新聞などによると、北朝鮮への追加制裁を明確に求めている理事国は現時点でないという。

【米韓の反応】
 米国務省のハーフ副報道官は、ノドン発射に対し、「この挑発に対して適切な措置を取るため、国連安全保障理事会を含め、同盟国やパートナーと緊密に協議をしている」と声明。対抗措置の可能性を示唆した。

 韓国国防省の報道官は、北朝鮮の行為を「明らかな国連決議違反だ」と非難し、「北朝鮮は挑発行為をただちにやめるべきだ」と主張した。

 ノドンが発射された3月26日は、4年前に韓国海軍哨戒艦沈没事件が起きた日。魚雷によって46人が死亡したこの事件については、北朝鮮の攻撃が疑われている。

【注目される日朝協議】
 日本の岸田外相は、北京の大使館ルートを通じて、北朝鮮に厳重抗議を行った。

 ただ、30日から予定されている北朝鮮との局長級協議については、「北朝鮮側に強く働き掛けるための貴重な機会になる」との見方を示し、「日程の変更は考えていない」と語ったという。

 ロイターによれば25日、北朝鮮の徐ジュネーブ国連大使は、日本が解決を求める拉致問題に対し、既に解決済みとの認識を示した。加えて、日本に対して、「植民地支配時代に840万人を拉致したこと」や慰安婦問題への補償と解決への努力を求めたという。

 北朝鮮はノドンを発射する以前から数週間にわたり、数多くの短距離ミサイルを発射していた。大使は、米韓合同訓練に合わせたものかという質問に対し、「我々が何もしなければ一体どうなるだろう。だから訓練を行った。我々にとっては普通の訓練である」と答えたという。

Text by NewSphere 編集部