韓国で鳥インフル感染拡大の危険 香港で一部輸入禁止措置も

鳥インフルエンザ

 韓国で、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N8型)の家禽や渡り鳥への感染が疑われる地域が拡大している。

 韓国農林畜産食品省によると、17日に全羅北道高敞(コチャン)郡のアヒル農場で初検出。同省は拡大防止のため、同郡から畜産業従事者や家禽類の移動を数時間禁じた。また、これまでに150万羽以上の家禽を処分、今後さらに100万羽以上の処分を行うという。

 同農場は渡り鳥がよくとまる貯水池の南西15kmに位置しており、韓国政府は渡り鳥が拡散させたとみている。

 H5N8型ウイルスはヨーロッパやアメリカで検出された例はあるが、韓国で検出されたのは初めて。同省によると、同型ウイルスが人に感染した例はないという。

【旧正月連休後に全国に拡散するおそれ】
 韓国で鳥インフルエンザが検出されたのは、600万羽以上の家禽が殺処分された2011年以来となる。

 韓国では旧正月連休(1月30日~2月2日)に帰省する人が多く、連休後にウイルスが全国にさらに拡散するのではとの懸念が高まっているとチャンネル・ニュース・アジアは報じた。

 近隣農家からは「大量のアヒルや鶏が埋葬されるのはつらい。二度と起きるべきでない」などと不安の声が上がっているという。

 また、アヒルを提供するレストランでは客が激減。スーパーマーケットも打撃を受け、鶏の販売が30%も減ったところもあると同局は報じている。

【香港政府が韓国の2地区からの鳥肉輸入を禁止】
 グローバル・ディスパッチによると、香港で食品の安全性を管轄する「食品安全中心」は30日、韓国の2地区(忠清南道と全羅南道)から鳥肉や関連製品の輸入を禁止すると発表したという。

 香港食品安全中心の広報担当者は、「この問題について韓国当局と緊密に連携し、鳥インフルエンザの全国拡散について、国際獣疫事務局の情報を監視する。状況の進展に応じ、適切に対応する」と語っているという。

Text by NewSphere 編集部