「軍用機で侵入を阻止せよ」中国ネットアンケート、9割が防空識別圏内の軍事行動に賛成

 中国が尖閣諸島上空を含む空域に防空識別圏を設定したことに関して、環球時報はネット上でアンケート調査を行った。その結果、約9割が「防空識別圏内に外国籍航空機が侵入した場合、軍用機で追い出すべき」と回答していたことが分かった。アンケートは25日に行われ、調査対象は北京、上海、広州など7都市在住の18歳以上の市民で、有効回答数は1107件だった。

 また掲示板サイトでは日中開戦を予測するスレッドがたつなど、中国側では一色触発といった空気も漂っている。

【9割が軍用機利用を支持 アンケート結果と専門家の分析】
 環球時報のネットアンケート(18歳以上の市民対象、有効回答数1107件)では、「防空識別圏内に未確認の外国籍航空機が侵入した場合どうすべきか」という質問に対し、87.6%が「軍用機で侵入を阻止、圏外へ追い出すべき」と回答。さらに59.8%が「警告に応じない場合は実弾で射撃」とした。一方で「外交で抗議すべき」という冷静な見方も51.8%に上った。

 また、今回の防空識別圏設定の理由については、84.1%が「国際的慣例で、自国の空域安全確保のため」と回答。この回答は中国政府の主張と一致している。

 しかし、同時に70.2%が「日米などの航空機による中国沿海への侵入・偵察を防ぐため」と回答。さらに、「尖閣諸島空域における日本の軍事的優位を徹底打破するため」という回答も67.5%に上る。これらの結果に対し軍事専門家は、中国国民は識別圏設定の目的などを理解し、理性的な判断をしていると分析したという。

「尖閣諸島問題に与える影響は」という項目では、53.6%が「軍事的均衡を破り中国が有利に立った」とし、39.5%が「軍事力バランスが均整化され、情勢が安定した」と回答。専門家はこの2つを合わせた9割が、今回の措置を支持しており、その背景には政府や軍に対する信頼があると分析している。

 また、「識別圏の重複が軍事衝突に繋がるか」という項目では、「そう思う」が50.1%、「思わない」が46.1%となり、回答が二分される形になった。専門家は、重複域は様々な不確定要素をはらんでおり、今後どうなるか見極めがつかないことが原因だろうと分析。

【日中開戦はあり得るか 中国版ツイッターと掲示板の声】
 強硬手段も辞さないといった印象も受けるアンケート結果。記事のコメント欄や中国版ツイッター・微博などでは、過激なコメントも多く寄せられている。

・国民の9割が支持だというのは誤り。我々は100%賛成している!
・共産党は信用してないけど、日米と戦争するなら支持するね
・未確認航空機なんだから、撃ち落として確認してみたらいい

 また掲示板サイト・天涯社区では「防空識別区設定で、日中開戦はあり得るか」というスレッドがたてられ、様々な意見が交わされている。

・アメリカはシリアも攻撃できない。ましてや中国だって?日本は平和憲法がある。開戦はあり得ない
・日本はオリンピック開催前はやらないだろうね
・戦争は望むべきじゃない。死ぬのは市民ばかりだ
・やるならとっくにやってる。今まで衝突があっても結局戦争になってない

・全世界の食糧生産量の20%は中国が占めてる。開戦したら、どれだけが飢え死にすると思う
・アメリカの航空機B52が識別区内を普通に飛行したよね。中国なんか眼中にないんだろうな…

【中国政府の対応】
 また国際在線の報道によると、中国外交部の秦剛報道官は、25日の会見で、今回の措置に対して日本に抗議する権限はない、という考えを改めて強調。該当地域の安定と日中関係を損なうような言動は、直ちにやめるべきだと発言した。報道官は、米空軍爆撃機が防空識別圏を無通告で飛行した後の27日にも、「中国政府には自国の主権と安全を守る決意と能力がある」と力説した。

Text by NewSphere 編集部