日本、2年前に米NSAの盗聴打診を拒否か 海外ユーザー「非公式に協力してたのでは?」

 アメリカの国家安全保障局(NSA)が2011年、日本政府に対して個人情報の傍受を打診していたと、27日に共同通信が報じた。NSAは、ドイツのメルケル首相など各国指導者35人の通話を盗聴していた疑惑で注目を集めている。

 アジア太平洋をつなぐ日本経由の光ケーブルが対象で、中国の情報収集が主なねらいだとみられている。日本政府は、法的制約や情報要員の不足を理由に応じなかったとも報じられている。

 これについては、中国の国営新華社通信、韓国の中央日報、イギリスのBBC等の海外メディアも報じている。

【海外の反応は?】
 今回の報道を受け、ソーシャルニュースサイト「reddit」では、下記のような意見が挙がっている。

・日本はアメリカの言う事はなんでも聞くから、“非公式に”協力したか、“民間の”協力者を雇ったんだろ
・どの国でもスパイ活動はやっているのでは?
・盗聴の証拠はないんだよね?

【ドイツ、スペイン・・・各国に広がっていた米NSAの情報収集活動】
 ドイツのメルケル首相は、アメリカ政府に電話盗聴に関する回答を求めている。カーニー報道官もオバマ大統領も、同盟国を傍受していたことに関しては詳しくコメントしていない。ドイツのビルト紙は27日、オバマ大統領が2010年から盗聴の事実を把握していたと報じた。ただしNSAはこれを否定している。

 さらに、スペインのエルムンド紙は、NSAが2012年12月から2013年1月にかけて、数千万のスペイン市民の個人情報を傍受していたと報じている。スペインはこの報道をうけ、アメリカに傍受の詳細に関して情報公開を要請しているとBBCが報じている。

 なお、ドイツ誌シュピーゲルによると、日本の都市は傍受対象でなかった可能性があると報じた。傍受拠点を記したNSAの極秘文書(2010年8月13日付)に、日本の都市名が含まれていなかったという。

【NSAの情報収集見直しへ オバマ大統領はどこまで把握していたのか】
 28日、ジェイ・カーニー米大統領報道官は、情報収集の見直しに関して語った。カーニー報道官は、「情報収集を我々がどのように行い、使用しているのかに関して更なる制約が必要となると認識している」とコメント。経済的利益を目的としておらず、国家安全の為に必要な情報収集である、という同氏の見解もBBCは伝えている。

 また連邦上院情報委員会のダイアン・ファインスタイン氏は、同盟国のトップに対する傍受に全面的に反対している。オバマ大統領が盗聴を知らなかったとされることに関して、同氏は「大きな問題」との見解を示したという。

Text by NewSphere 編集部