米国、融和姿勢に転換も、イランは対話拒否 翻弄される米国を海外メディアはどう報じたか?

 オバマ米大統領は24日、ニューヨークで開催中の国連総会での演説で、イランの核問題解決に向けた歩み寄りを表明した。

 一方、イランのロウハニ大統領は、同総会でのオバマ大統領との接触を拒否。演説で、イランの核計画は平和目的で核兵器開発はしないと言明した。その上で、イランのウラン濃縮の権利を主張し、米国によるイランへの経済制裁などを厳しく批判した。

 なお国連総会期間中の26日には米国務長官とザリフ・イラン外相が会談し、イラン核問題について話し合う予定となっている。

【オバマ大統領の新路線】
 オバマ大統領は、イラン核問題では軍事行動もいとわないとの強硬路線から一転、今回は融和姿勢を見せた。

 オバマ大統領は、イランが核開発をやめる具体的な措置をとるなら、30年以上断交状態の両国の関係改善に向けたユニークな機会といえる、との見解を語った。その上で、ケリー米国務長官にイラン政府と核問題で合意できるか見極めるよう指示したと述べた。

 ただ、フィナンシャル・タイムズ紙は、イランとの協議を進めるには、オバマ大統領はイスラエルと米議会の懐疑論を克服する必要があると報じた。

【米議会の懸念】
 反米の強硬路線を貫いたアフマディネジャド前大統領と異なり、国際社会との対話路線を掲げるロウハニ大統領は、イランの核開発問題の解決に意欲を見せている。ただ、核論争を収束させる具体的な提案はない。

 米議会は、イラン新政府は核問題で時間を稼ぐために和解の姿勢を示しているだけだという。イラン政府の核政策は最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師に完全に支配されており、イランが正式に交渉を転換させるとは思わないと語る。

 親イスラエル議員らは、ロウハニ大統領の演説は具体性に欠け、アフマディネジャド前大統領のテーマを繰り返していると批判しているとニューヨーク・タイムズ紙は報じた。

Text by NewSphere 編集部