現役兵士も評価 中国軍が尖閣“防衛”FPSゲームを開発

 中国人民解放軍と無錫巨人グループが共同開発したFPS(一人称シューティング)戦闘ゲーム、「光栄使命(グロリアスミッション)オンライン」が、人民解放軍結成86周年の建軍記念日(8月1日)に合わせてアップデートされると報じられている。

 そのアップデートで、「尖閣諸島ステージ」が追加されることが、各紙に取り上げられている。

【中国版CoD】
 同ゲームは軍の広報目的に加え、元々中国将兵の訓練用に開発されたもので、各紙は中国版「コールオブデューティ(人気FPSシリーズ)」だと説明している。

 プレイヤーは新兵として、基礎訓練・個人任務・チーム作戦の3パートから成る軍事演習「光栄使命」に参加し、熟練を積む内容だ。しかし尖閣諸島ステージでは「日本兵との戦闘」があり、中国初の空母「遼寧」も登場するという。

 テストプレイした中国兵の感想は、「本当に面白く」、「まったくプロの戦闘スキルや指令暗号を扱う簡単な軍事教本のようだ」とのことである。

 人民解放軍では「コールオブデューティ」のような外国製の同種ゲームもプレイされてきたが、「軍事的価値観が異なり、中国将兵をミスリードする」ため、独自開発に至ったと報じられている。

【よくあるタイアップ】
 とはいえ各紙は、このようなゲームの軍事利用や軍事時事の商品化は、中国に限った話ではないことも指摘している。

 インディペンデント紙(英)は、軍の訓練およびプロパガンダとしてビデオゲームを使用する先鞭は、米軍が2002年、「アメリカズアーミー」で付けたと解説している。

 同紙は、「光栄使命オンライン」もこれらの作品と同様、「軍によって使用される銃、制服や車両の細部を忠実に再現している。また、戦闘の被害を矮小化し、社会の最も感受性が強いセクションを対象としているとの批判に甘んじてもいる」と説明した。

 ワシントン・ポスト紙は、人民解放軍が、日中両国の紛争の源である尖閣諸島を舞台にしたゲームの開発に関わっていることから、「挑発的」だと報道。

 一方、同紙は、日本の玩具メーカー(※編注:アオシマと思われる)が、『尖閣作戦』の言葉を冠した模型艇を販売したことも報じている。パッケージには、勝ち誇った日本戦闘機が撃沈される遼寧の頭上を飛んでいるような絵が描かれており、中国のソーシャルメディアユーザーを激怒させたという。

 なお、「光栄使命オンライン」のサイトはこちら

Text by NewSphere 編集部