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 長引くシリア内戦で、窮地に追い込まれていたはずのアサド政権が、ここに来て攻勢を強めている。欧米諸国が反体制派支援に慎重な対応に終始する一方、政権側には積極的な支援を実施する近隣諸国があることから、一刻も早い終戦を願う国際社会での交渉において、優位な立場を獲得し始めているようだ。
 また、反体制派内の統制が崩れつつあることも、戦況が変化する要因となっているようだ。
 海外各紙は、他国へと飛び火をみせる内戦の影響について報じている。

【諸外国に加え、国内の実業家らもアサド政権を支援】
 対話による政治解決を促すことを目的に、米露を中心に、来月にもスイス・ジュネーブで国際会議が開催される予定だ。
 反体制派内では参加に関する意見が割れている一方、政権は「基本的に」参加することを表明した。しかし発表直後、政権を支援しているヒズボラ(レバノンのイスラム教シーア派組織)の拠点付近に、ロケット弾が打ち込まれたとフィナンシャル・タイムズ紙などは報じている。攻撃元は明らかではないが、ヒズボラのシリア内戦介入に対する、反体制派の報復行為とみられている。
 これに対してヒズボラ指導者のナスララ師は、「われわれは最後まで(戦いを)続ける。この責務を受け入れ、あらゆる犠牲を受け入れる」と決意を改めて示した。さらに、「シリアは(イスラエルのパレスチナ占領に対する)抵抗運動の後ろ盾であり、行動しないことは許されない。必ず勝利する」と訴え、敵意を露わにしているという。イスラエルに向けてロケット弾を発射したとも報じられている。
 イスラエルも、今年に入ってシリアにロケット弾を3度打ち込んでいるとされており、ヒズボラの行動の過激化にともない、参戦への圧力も強まってきているようだとニューヨーク・タイムズ紙は述べている。

 また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙では、アサド政権の根強さの源として、国内の実業家らの存在に注目している。
 同紙によると、政権は、ロシアやイラン、ヒズボラなどの支援の他、政権と深い関わりを持つシリア人ビジネスマンからの支援で、内戦や国際社会からの経済制裁による影響を乗り越えていると指摘している。中には、身の危険を侵して政府軍に燃料の調達をしている者もいるという。ある実業家は、イラクから約80万トンの燃油の供給契約を結び、タンクローリーに武装した護衛をつけて輸送しているという。要請があれば地元の民兵を万単位で招集できるとも述べ、祖国の防衛は名誉だと語っているようだ。

【反体制派が瓦解すれば、アサド政権優位のまま国際会議へ】
 ヒズボラの際立つ軍事支援やイスラエルへの挑発の裏には、対話での解決を強調している米国が、すぐには軍事介入しない公算があるとニューヨーク・タイムズ紙は分析している。
 また、当初はアサド氏の退陣が条件とされていたものの、戦況が変化するにつれて、米国は同氏の政治的役割に交渉の余地を残したままで国際会議に望むスタンスに変わってきているのでは、とにらむアナリストらもいるという。
 米国は現時点では、どちらも勝利できるほど差はないとみているようだ。ただ、内部分裂が目立ち始めている反体制派の今後の行方は気になるところだと報じられている。

(Newsphere編集部)

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