パキスタン総選挙 勝者シャリフ氏の新たな方針とは?

 11日のパキスタン国民議会選挙で勝利したシャリフ元首相は、新内閣の組閣に着手した。

 選挙に対しては、一部から不正疑惑を指摘する声も上がったものの、日本も含めた国際選挙監視団によって承認された。EUの選挙監視員は、過激派の暴挙によって64人死亡したものの、改善がみられたと語っている。
 海外各紙は、3度目の首相に就任する見込みのシャリフ氏の、外交・経済方針について着目している。

【隣国インドの反応は】
 インドはパキスタンと長年緊張関係にあるが、シャリフ氏は、首相に選出された際の就任式に「インドのシン首相を招待したい」と述べ、対印関係改善に意欲を示した。シン首相も、こうした姿勢を歓迎していると報じられている。
 2008年、インドのムンバイで起きた同時多発テロには、パキスタンの過激派組織が関与したと疑われ、両国関係の大きな溝になっている。こうした過激派に対し、シャリフ氏がどのように対処するか、インドは注目しているとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。

【3度目のシャリフ新政権は経済を立て直せるのか】
 シャリフ氏は、経済再建に注力すると、意欲を示している。シャリフ氏の所属政党は、経済成長率を2倍にし、インフレ対策を行うことを公約に掲げていた。

 ただし、問題は山積みだ。特に公的機関の不正行為、非効率な業務を改革する必要があるとフィナンシャル・タイムズ紙は指摘している。鉄道、航空業界は毎年、GDPの2.5%以上の莫大な損失につながっていると指摘する声もあるという。
 また、財政も大変厳しく、外貨準備高に至っては2ヶ月分の輸入額相当しかなく、IMFなどから90億ドルの融資を受ける見通しである。

Text by NewSphere 編集部