米銃規制強化法案は、成立するのか?

米銃規制強化法案は、成立するのか? 米上院は11日、銃規制強化法案の本会議審議入りを、賛成多数で承認した。
 法案は民主党が提案。購入希望者の身元調査強化、銃の密売等の厳罰化、学校の安全強化などが含まれる。身元調査強化については、超党派の議員有志が合意している内容に修正される見込みだ。
 海外紙は、法案策定の背景と各方面の反応について報じている。

【支持と反対】
 前述の超党派の議員は、銃所持権を強く支持するジョー・マンチン上院議員(民主・ウエストバージニア州)と、パット・トーミー議員(共和・ペンシルバニア州)によって作成された。またチャールズ・シューマー上院議員(民主・ニューヨーク州)とマーク・カーク議員(共和・イリノイ州)によって支持されていると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は紹介した。
 マンチン上院議員は、「(銃規制に)反対する全米ライフル協会や、(武器の保持に関する)憲法修正第2条を擁護する人々にも、賛同してもらえるだろう。なぜなら昨年12月の事件の遺族を考えると、彼らも全ての米国民と同じように心を痛めているからだ」と述べたという。

 一方、フィナンシャル・タイムズ紙は、全米ライフル協会の反対意見を取り上げた。
 同協会は、近年起きた3つの銃乱射事件に言及し、「身元調査を行っても、ニュータウン、オーロラ、トゥーソンでの悲劇を防げなかった。限界がある。」と発言。メンタルヘルスの改善努力を要求したという。
 銃社会アメリカの政治において、最も微妙な問題の1つであることを、同紙は強調している。

【メンタルヘルス】
 ニューヨーク・タイムズ紙は、ウィスコンシン州のショッピングセンターでの銃乱射事件を例に挙げ、メンタルヘルスの重要性を主張。同事件では犯人は自殺し、彼の精神衛生上の問題が注目された。銃犯罪に詳しい専門家たちは、「今必要なのは精神病のケアを充実させること」とコメント。メンタルヘルス・ケアに関して、政府は銃規制と同等の優先順位で扱い、意義のある議論をなすべきだと、同紙は警鐘を鳴らしている。

Text by NewSphere 編集部