北朝鮮は4月10日に何をする? 本気にはしていない各国

北朝鮮は4月10日に何をする? 本気にはしていない各国 北朝鮮は6日、韓国と共同運営していた開城工業団地への、韓国人労働者の越境立入を、3日前同様に禁止した。すでに団地内にいる労働者500人以上の帰国は認めており、週末、中国人2人を含む96人が帰国した。開城工業団地は北朝鮮の貴重な外貨獲得源であるはずだが、アナリストらは半島の緊張を高く保ち、米・韓から譲歩を引き出す狙いと見ている。
 また、北朝鮮は駐北朝鮮の各国大使館に、4月10日以降の安全は保証できないと通告。職員の避難にあたり、援助が必要であれば申し出るよう伝えた。韓国の金章洙・国家安保室長は、4月10日に北朝鮮がミサイルを発射する可能性はあるが、全面戦争の準備をしている兆候はないと述べている。各国大使館も、真剣に避難を検討している様子はないようである。一方で金章洙氏は、韓国は「備えができている」とも語っている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、毎年この時期の米韓合同軍事演習を北朝鮮が非難するのはいつものことであるが、2月12日の核実験に対して課された国際制裁もあって、今年は「発言・脅しが極端」であると報じた。また、4月15日が北朝鮮で最も重要な祝日である金日成誕生日であることにも言及した。

 北朝鮮の最近の言動に対し、中国の習近平国家主席は、名指しではないながらも北朝鮮の姿勢を非難した。また中国は北朝鮮に対し、中国外交官らの完全な安全保証を求めたという。フィナンシャル・タイムズ紙によると、米国や、オーストラリア等含めアジア各国も、中国の北朝鮮への影響力行使を歓迎している。一方、ステルス爆撃機展開などで北朝鮮に圧力をかけていた米国は、来週予定されていた大陸間弾道ミサイル試験を、「北朝鮮を刺激するかもしれない懸念から」来月に延期。さらに16日に予定されていた米韓の統合参謀本部議長会談が、「緊張が高まる中で韓国から離れられなかった」ため延期された。

 なお北朝鮮は、太平洋の米軍基地だけでなく韓国と日本を、数週間以内の攻撃を示唆して脅している。核兵器で米国本土を標的とする用意があるとまで述べている。ただし専門家は、北朝鮮の最新弾道ミサイルの射程は3000~4000kmあるが、核搭載能力はないと指摘する。北朝鮮はミサイルを米本土に到達させる能力を持っていないが、韓国や日本を叩ける可能性はあると述べている。

Text by NewSphere 編集部