アップルVSサムスン 「和解」に向け一歩か?

アップルVSサムスン 「和解」に向け一歩か? 米アップル社と韓国サムスン電子は、スマートフォンに関する知的財産権をめぐり、アメリカ、韓国、日本、欧州各国など世界各国で訴訟が繰り広げている。主だった判決としては、今夏、カリフォルニア州連邦地裁で、サムスン製品の販売差し止めと賠償金10億ドルという陪審評決が下された。ただ、今月17日には、アップルからのサムスン製品に対する恒久的販売差し止め要求を、同地裁は却下した。この判決に対しては、両社ともにコメントしていない。
 他にも、韓国では両社ともに特許を侵害しているとの判決が下り、ドイツではサムスンの侵害は認められないなど、結果がばらついている。

 こうした中、サムスン電子は19日、英仏独伊蘭の欧州5ヶ国の裁判所で求めていたアップル製品の販売差し止め請求を撤回すると表明。サムスンは声明にて、「裁判所よりも市場で争う方がよい」と考え、「消費者の選択を保護する」ための措置だと発表した。
 一方アップル側のコメントはまだ明らかにされておらず、両社の訴訟合戦の行方は未知数だ。

 サムスン社の措置に対し、ニューヨーク・タイムズ紙は、欧州委員会が同社を独占禁止法抵触の疑いで調査していたと指摘。同委員会は、ワイヤレスネットワークなどのスマートフォンの根幹にある技術は、知的財産権として「公平に、合理的な値段で、かつ無差別に」共有されるべきだとしている。サムスンの姿勢軟化とこの調査の関係は明らかでなく、欧州委員会も調査中のためにコメントはできないと述べた。
 なお、専門家は、「(独占禁止法の観点から)販売差し止めは難しく、焦点は賠償金になる」旨コメントしている。

Text by NewSphere 編集部