インドネシア、第3 四半期の GDP も伸びる―海外紙は、成長の光と影に焦点を当てた―

インドネシア 2012 年度第3 四半期におけるインドネシアの対前年比 GDP 伸び率は、6.2 %となった。これで、直近 8 年間で 7 回目の 5 %以上の伸び率を記録したことになる。アジア圏の他の国々が世界経済の減速による影響を受けている状況で、出色の数値となった。
 ただし、インドネシアの第2 四半期における対前年比 GDP が 6.4 %であったことと、今回の数値が 2010 年第1 四半期以降最低であったことを考慮すれば、成長の減速が懸念される。
 海外紙は、インドネシア国内の消費ブームと低調な輸出に注目した。

 インドネシアの経済成長を支えるのは、依然として好調な国内消費である。フィナンシャル・タイムズ(英) は、同国が抱える 2 億 4,000 万の人口が活発な消費を支えており、GDPの 65 %を消費が占めていると報じている。そのため同紙は、世界経済によるマイナスの影響をインドネシアが直接受けることはないと分析している。また、ウォール・ストリート・ジャーナル(米)は、インドネシアが他のアジア諸国と異なる点を指摘した。すなわち、欧米諸国に依存していなかったため、同国製品の需要に大きな影響が生じなかったと報じている。

 ただし、ここ 2 年間で最低の成長率となった原因は、輸出部門にあると見られる。ウォール・ストリート・ジャーナルは、輸出部門が2.78% 低下した要因を、石炭やヤシ油、スズ、その他天然資源の需要と価格が低下したことに求めている。さらに、同国が世界経済の不安定要素に備えるべきであり、厳しい状況は 2012 年ではなく 2013 年に到来するとの同国首脳の談話をクローズアップしている。また、フィナンシャル・タイムズは、中国の多くの輸入業者が石炭の買い入れを中止した事実を取り上げるとともに、脆弱な輸出部門が来年にまたがって成長を妨げる要素となると見ている。

 同国の経済成長への不安要因は他にもある。ウォール・ストリート・ジャーナルは、旧態依然としたインフラストラクチャと政府の政策が、投資と拡大を阻害している点を指摘している。同紙は、当局が、保護主義者またはナショナリストと見なされるような多数の規制を課していると見ている。たとえば、2014 年の原料輸出の完全停止に向け輸出税をかけることや、外国人に鉱業部門の所有権を売却するように求める規制を取り上げている。また、同紙は、2014 年の大統領および議会選挙に向けて、さらに大衆受けするような政策が取られるのではないかという企業の懸念にも触れている。

Text by NewSphere 編集部