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日中韓外相会談、3年ぶり開催 韓国は3国間首脳会談に前向き 中国は「安倍談話」次第

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日中韓外相会談、3年ぶり開催 韓国は3国間首脳会談に前向き 中国は「安倍談話」次第

 韓国ソウルで21日、日中韓3国間の外相会談が、およそ3年ぶりに行われた。会談終了後の共同報道発表文では、今後の3国間首脳会談について、「3ヶ国にとって最も早期で都合のよい時期に開催すべく努力していく」とされた。中国の王毅(ワンイー)外相は終了後の記者会見で、首脳会談の実現は、安倍首相が今夏発表する戦後70年談話の内容にかかってくるとの姿勢を示した。韓国メディアも、同様の見通しを示した。

◆中国は3国間会談の場でも日中間の歴史問題を強調
 日中韓の3国間外相会談は2007年から、首脳会談は2008年から毎年開かれていたが、2012年9月に国有化された尖閣諸島をめぐって、中国が会談に難色を示し、2013年から開かれなくなっていた。

 朝日新聞の22日付記事は、中国の王外相が、会談においても、終了後の共同記者会見においても、「歴史問題」を主題的に扱ったことを軸に報じている。

◆中国は、歴史問題と3国間協力は切り離せない、との立場を強調か
 中国国営の新華社通信の英文記事からは、王外相が歴史問題にそこまで集中していたことを読み取るのは難しいかもしれない。記事は、日中韓3ヶ国の外相が、北東アジアの平和、安定、繁栄のための協力の重要な枠組みとして、日中韓3国間の協力メカニズムを今後も発展させることで合意した、と報じた。

 歴史問題については、間接的な伝え方をしている。まず、日中韓の3国間会談は、歴史問題と領有権問題をめぐり、日中関係、日韓関係が険悪になったため、一時中断された、と伝える。

 今回の会談では、外相らは、歴史を直視し未来に向けて進む精神で、関連する諸問題に適切に取り組み、2国間関係と3国間協力を向上させると誓った、と伝える。共同報道発表文では、「日中韓3国の外相は、3国間の個々の2国間関係が、3国間協力の重要な土台を構成しており、また今度は3国間協力の深化が、個々の2国間関係に寄与し、北東アジア地域の平和、安定、繁栄に寄与することを重要視した」と述べられていることを報じた。

 おそらく記事は、日中間に横たわる歴史問題と、日中韓3国間の、繁栄などに向けた協力は、切り離せない話であるとの主張を蔵していると思われる。

◆ようやく再開した対話ムードの継続には、安倍首相の公式発言が鍵となる、と韓国メディア
 朝鮮日報の社説は、今回の日中韓外相会談が実現した背景には、今の行き詰まった状況が長期化することは誰にとってもプラスにならないという共通認識があった、と語る。日中および日韓間には、容易に解決しそうもない問題が控えている。このような状況の中、3国間で対話さえ全く行われないとなれば、北東アジアにおける危険な緊張関係はさらに広がってしまうだろう。このような状況は当然のことながら誰も望んでいない、と語っている。

 その上で、ようやく再開した対話の雰囲気を今後も維持するための鍵は、日本の対応にあると言わざるを得ない、としている。安倍首相が4月末より訪米し、米上下院合同会議で演説を行うこと、また終戦記念日には終戦70年記念の談話、いわゆる「安倍談話」を発表することを伝える。その内容によっては、日中韓の3国間関係は今以上に難しい状況に陥るだろう、としている。

◆3国間協力を先行させることで、2国間関係の改善も期待できる、と韓国メディア
 中央日報の社説は、今回の外相会談で、日中韓の首脳会談の開催に原則合意したことを高く評価している。その理由は、日韓、日中の2国間首脳会談の実現が難しい状況で、3国間首脳会議は、日中韓の協力を復元できる唯一の代案だからだという。同紙の主張は、新華社通信と違って、「2国間関係と関係なく3ヶ国の協力を恒久的に発展させていかなければいけない」、というものだ。3国間協力が活性化すれば、こじれるだけこじれた韓日関係も解決の糸口を見いだすことができる、と同紙は主張する。

 中国は外相会談で、「安倍談話」の内容を見てから、首脳会談を開催するかどうかを決めるという立場を守った、と同紙は伝える。それに対して、議長国の韓国が、歴史問題とは別に、日中韓の協力は正常化するべきだという意志を強調することでなんとか合意に至った、としている。

 このような韓国の姿勢については、産経ニュースも、歴史問題で中国と共闘する韓国だが、3国間首脳会談の開催時期については(中国と違って)必ずしも「談話」を交渉材料にはせず、「前向きな姿勢をみせていた」(外務省幹部)、と伝えた。

 とはいえ中央日報は、朝鮮日報と同様に、首脳会談実現の鍵は日本が握っている、としている。安倍首相の米議会演説や、「談話」で、過去の歴史に進展した立場を見せれば、日中韓首脳会談は急速に進むだろうが、そうでなければ北東アジアの葛藤はさらに深まるとみられる、としている。

 元駐日韓国大使の申ガク秀(シン・ガクス)氏は、中央日報の「時論」で、同紙の社説と同様の主張を行っている。その中で氏は、北東アジアの協力をさらに深めるためには、何よりも3国間首脳会談が2国間関係に影響を受けず持続的に開催されるようにしなければいけない、としている。

 氏は、今回の3国間外相会談は、首脳会談の早期開催に合意したという点で評価できる、とした。早期に3国間首脳会談が開催され、北東アジアの協力に新たな活力を吹き込む一方、冷え込んだ日韓、日中関係の改善にもプラスになることを期待する、と述べている。

◆米ニューヨーク・タイムズ紙は、北朝鮮の核問題との関連に注目
 ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、今回の日中韓外相会談について、北朝鮮の核兵器開発に対する懸念が3ヶ国で改めて共有されたことを中心的に報じた。共同報道発表文で、核開発を止めさせるための六者会合の再開に向け努力する、とされたことを伝える。

 「六者」とは、日中韓に、アメリカ、ロシア、北朝鮮を加えたものだ。アメリカが密接に絡む問題なので、日本や韓国のメディアと異なって、この問題を大きく取り上げたものと思われる。六者会合は、2008年以降、休止状態となっているという。

 中央日報が、日中韓の3国間協力の重要性を語っていたのには、この「六者」の問題が関係している。中国の台頭と、それに対抗するアメリカの「アジア再均衡(リバランス)」戦略により、冷戦時代の日米韓-中露朝対決構図が再演されるという懸念が強まっている、というのだ。それを防ぐため、日中韓の円滑な協力が必須だというのである。

写真出典:外務省ホームページ (http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/rp/page3_001152.html)

(Newsphere編集部)

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