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安倍首相の歴史観は“日本の評判損なう” 訪日米議員語る 対外発信強化も逆効果の可能性

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安倍首相の歴史観は“日本の評判損なう” 訪日米議員語る 対外発信強化も逆効果の可能性

 安倍首相の歴史認識に焦点を当てた記事が、海外メディアにはしばしば登場する。首相の歴史認識は、今後の日米関係に悪影響をもたらす可能性があると、日本を訪れた米議員が語っている。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えた。

◆歴史問題は日米関係のリスクか
 外務省は昨年、米教育出版社「マグロウヒル・エデュケーション」に対し、同社の発行する教科書の慰安婦に関する記述に「重大な事実誤認がある」として、訂正を要請した。これについて、今月、アメリカの歴史学者グループが、日本政府を非難する声明を発表した。これらによって、安倍首相の歴史認識への海外メディアの関心が、一層かき立てられている。

 今週、米議会の「日本研究グループ」に所属する米下院議員10人が訪日した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙によると、このうちダイアナ・デゲット議員が、「第2次世界大戦の終戦70周年に起因するこれらの問題のいくつかは、まさに日米関係にいくらか亀裂を与えうるものです」と16日の記者会見で語っている。

 これは、終戦70周年を記念して、安倍首相が8月に発表する予定の首相談話について述べたものと思われる。その内容がどのようなものになるか、日本の謝罪がどう織り込まれるかで、各国から注目を集めている。ワシントン・ポスト紙によると、首相は17日にも国会で「村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいく」と語っている。しかし、つい3週間前には、「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなく、安倍内閣としてどう考えているかという観点から談話を出したい」とNHKの番組で述べており、首相の姿勢は一貫からはほど遠い、と断じている。安倍首相としては、過去を踏まえた上で、未来志向のものとしたい考えのようだ。

 WSJ紙によると、非常に両極化しているアメリカの政治風潮の中であっても、安倍首相の歴史に対する姿勢は、共和党、民主党のどちらからも激しい反発を引き起こす恐れがある、とマーク・タカノ議員が述べたという。

 デゲット議員は、マグロウヒルの教科書問題について触れて、「日本が、慰安婦問題と、終戦前後の他の問題のいくつかについて、前言を撤回していると見られないようにすることが、非常に重要です」と語ったという。

◆首相の歴史観は日本の評判を損なう
 ジェームズ・センセンブレナー議員は、首相の「修正主義的歴史観」が「近隣諸国との間で、日本の評判」を損なっている、クールダウンしなければならない、と語ったという。

 デゲット議員は、「アメリカ国内では、最も重要な話題は、日米の相互防衛・安全保障、アベノミクスの成功に対する期待、(TPPなどの)協定の交渉に関するものです。ですから、第2次世界大戦前後のこれらの問題が、話題に上り続けていることは、私たちを困惑させるのです」と語っている。

 センセンブレナー議員は、日韓両国が歴史問題をめぐって緊張しているために、アジアにおけるアメリカの安全保障活動が難しくなっている、と懸念を表明した。安倍首相と韓国の朴大統領の2者会談がいまだに実現しておらず、アジアにおけるアメリカの主要同盟国である両国が協力することが難しくなっている、と語った。

◆首相の米議会での演説も難しいか
 安倍首相は、ゴールデンウイークに訪米する方向で調整を進めている。訪日中の米議員団が16日、首相と面会している。WSJ紙によると、その際、デゲット議員は、もしも訪米時に、首相が米議会で演説を行えれば、すばらしいことだろうと語ったという。時事通信によると、首相は演説について、「できればありがたい」と意欲を示したという。

 実現すれば、日本の総理大臣としては、1961年の池田勇人首相以来の米議会演説となる、とWSJ紙は伝える。下院で演説をするには、正式な招待が必要になるという。歴史問題をめぐって、首相が韓国と不安定な関係にあることに、一部の議員が懸念を抱いていることを考えると、その招待はスムーズに運ばないかもしれない、とWSJ紙は語っている。

 デゲット議員は、安倍首相のもろもろの発言が、訪米に暗い影を投げかける可能性がある、と警告したという。「首相は、これらの否定的な感情を引き起こすようなことは、あとはもう何もしてはいけません」と語ったという。

◆歴史問題などの対外発信強化にも、厳しい指摘
 現在、安倍内閣は、日本の対外情報発信を強化することに取り組んでいる。ロイターは、外務省が戦略的対外発信費として、2014年度の追加予算と2015年度の当初予算で、計700億円を得た、と報じた。

 外務省によると、「戦略的対外発信」は、「日本の『正しい姿』の発信」、「日本の多様な魅力の更なる発信」、「親日派・知日派の育成」などを目指している。第1のものは、領土保全、歴史認識などの重要課題について、国際社会の正しい理解を獲得しようと努めるものだ。マグロウヒルの教科書問題はこの一環だろう。

 ロイターは、歴史問題だけが、このPR計画の唯一の焦点というわけではない、と語る。資金の多くは、大学での日本研究を支援したり、「日本ブランド」を振興するために「ジャパン・ハウス」を設立するといった、親日派外国人を育成するためのソフトパワー戦略に用いられるだろう、としている。

 しかしロイターは、これらの国際的PRも、戦時の歴史に焦点を当てることによって、失敗に終わる可能性がある、と手厳しい。戦時に関して、日本に対して偏見のある記述を訂正しようとする取り組みは、建設的なメッセージを台無しにする危険がある、としている。

 そして、マグロウヒルの件では、すでに強い反発を招いている、と伝える。

 また、そのような取り組みによって、日本の戦時の問題が、公衆の関心の的になり続けるため、逆効果になるだろう、と専門家らが語っているという。ダートマス大学のジェニファー・リンド教授は、「歴史についての長い議論に人を引っ張り込むことは、イメージという点からすれば、あの残虐行為(慰安婦問題)でもって日本を強く印象付けるように思えます」「勝ち目のない闘いです」と語っている。

(Newsphere編集部)

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