米国が日韓仲裁へ? 元慰安婦と米政府関係者の極秘面談で、韓国紙が期待

 韓国人元慰安婦の李玉善さんと姜日出さんが、先月末、国務省とホワイトハウスの当局者と極秘に面談した。5日、国務省のサキ報道官が認めた。

【元従軍慰安婦、アメリカ政府関係者と極秘面談】
 同報道官によると、面談は女性らの要請で行われた。国務省関係者による面会は初めてのものではない、とも強調した。

 日韓関係の悪化は、日米韓3国の安全保障協力構築に水を差してきた。韓国紙『Korea Herald』は、中立の立場を取ってきたアメリカが政策を変更し、日韓の慰安婦問題を解決すべく仲裁に入るのでは、と報じている。実際、元慰安婦らが「アメリカが先頭に立ってこの問題を早急に解決してほしい」と求めたのに対し、ホワイトハウスのアニストフ副補佐官は「ホワイトハウス内の関連部署と協議する。よい知らせを持って再会しましょう」と応じたという(NHK)。

 今回の面談について、日本政府に慰安婦問題の解決を促す内容を盛り込んだ歳出法案が今年1月にアメリカ下院で可決されたことと無関係ではない、と聯合ニュースは報道している。法案に対する後続措置の一環として、元慰安婦と面談したとの推測もある。

【影響力を増す韓国系住民】
 いわゆる慰安婦問題に関し、アメリカでは韓国系住民の影響が増している。アメリカで次々に設置されている慰安婦記念碑も、韓国系団体の働きかけによるものである。

 4日には、ニュージャージー州ユニオンシティのリバティ・プラザで、「慰安婦の碑」除幕式が行われた。韓国人元慰安婦の李さんと姜さんをはじめ、ユニオンシティのブライアン・スタック市長や地元の政治家、韓国系団体の関係者も出席した。

 全米の公共の場所に設置された慰安婦碑は6基目。ニューヨーク州、カリフォルニア州、バージニア州などにも設置されている。

【意見が対立する従軍慰安婦問題】
 従軍慰安婦問題は、慰安婦の人数や強制性の有無について、日韓の意見が対立している。

 韓国の『Yonhap News』によると、李さんらは、除幕式で、慰安婦問題を早期に解決すべく支援を求めた。犠牲者の大半は80歳を超え、日本から賠償金や謝罪を受ける前に死亡する恐れがある、というのだ。一方、日本は、朝鮮半島統治時代の問題については1965年の日韓基本条約において解決済み、という立場だ。

Text by NewSphere 編集部