中国紙「中国の脅威を言い訳に、日本は軍拡」 自衛隊の与那国レーダー配備を批判

 19日、日本最西端の与那国島で、自衛隊沿岸監視部隊配置に伴うレーダー基地建設の起工式が行われた。出席した小野寺防衛相は、監視体制強化の重要性を強調したが、島民の感情は複雑だ。一方、尖閣問題で対立する中国では、日本が軍拡の道を進み始めたという声も出ている。

【中国の脅威】
 与那国島のレーダー基地は、2016年に完成予定。100人の自衛隊員が配置され、レーダーによって、尖閣諸島周辺を含む東シナ海での船や航空機の動きを、より詳細に捉えることが可能になる。

 起工式で小野寺外相は、自衛隊の与那国島配備は「南西地域の監視強化のための」幅広い取り組みの一環であると述べた。フィナンシャル・タイムズ紙は、日本の防衛が、冷戦時代の敵であるロシアから、急速に軍を近代化させる中国へと焦点を移していると報じ、背景に中国の脅威があることを指摘している。

【住民の気持ちは複雑】
 一方、基地を受け入れる与那国町の住民の反応はさまざまだ。

 フィナンシャル・タイムズ紙によれば、町長も含め、地元のリーダーは基地建設による経済的恩恵を期待しているという。以前、町長が「協力費」として国に要求した10億円には及ばないが、土地使用料等として年間数千万円が、低所得者が多く過疎化に悩む町に支払われる。

 同紙は、基地からの金が町のためになるのか、という疑問の声も紹介。反対派の中には、「日本の国境を閉じるための道具」となるより、近隣の台湾や中国からの観光客を誘致することで、経済的利益を得るべきという意見もあるという。

「国境を越えた交流は広がっていたのに、基地計画のおかげで凍結されてしまった」と地元紙『琉球新報』が指摘するように、基地建設が産業育成の機会を奪うという問題も指摘されている。

 アルジャジーラは、今後日中間に紛争が生じれば、一番に標的にされるのでは、という不安を島民が感じていると報じた。実際、起工式の日に、反対派住民数人と防衛省関係者の間で衝突があったと報じた。

【日本の目的は軍拡?】
 人民日報傘下のグローバル・タイムズ紙は、「日本は中国の脅威を言い訳に、その軍事配備を拡張させ、防衛強化をしている」と言う中国の軍事専門家のコメントを載せ、日本のレーダー基地設置は軍拡自体が目的だと示唆している。

 さらに同紙は、今回の動きがオバマ大統領来日の数日前であることを指摘。アメリカに圧力を加え、「日本はアメリカが日中の領土問題における立場を明確にし、日本の尖閣における主権を擁護すると共同声明で発表することを望んでいる」という日本研究者の意見を紹介し、尖閣問題への影響を警戒している。

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Text by NewSphere 編集部