日本、インドに熱視線 政治からベンチャー投資まで 現地メディアの反応は?

 安倍首相が25~27日の日程でインドを訪問する。インド政府より26日に行われる「共和国記念日」の式典に主賓として招かれたためで、日本首相の参加は初となる。

【日本と違い、対中国対策としての連携強化にインドは後ろ向き】
 日中関係が冷え込む中、安倍首相には日印の軍事協力を強化したいねらいがある。

 日本はデリー・ムンバイ間産業大動脈構想のため920億ドルの投資を約束。チェンナイ・バンガロール間の高速鉄道計画も進めており、日本はインドの近代化に貢献していると報じられている。

 また、救難飛行艇「US2」のインド輸出計画や合同軍事演習は、インドの対中戦略にも影響するとみられる。

 ただ、インドにとって、日本との関係強化は中国を刺激するためではない。もし中国が友好的でないならインドは別の選択肢もあるというシグナルであり、安倍首相の式典参加は、中国にこの教訓を視覚的に喚起させるためによい、とタイムズ・オブ・インディアは報じた。

【日本はレアアース輸出、インドは民生核協定の締結に焦点】
 安倍首相には、レアアース(希土類)輸出を早めるよう、インド政府を促したいねらいもある。レアアース輸出については、2012年に両国で合意以来ずっと遅れたままとなっている。インドのエコノミック・タイムズ紙は、日本は中国へのレアアース依存から脱却したいため、インドがレアアース輸出を始めないことに不満を持っていると報じる。一方インドは、日本と民生核協定を早く締結することに焦点を当てているとも報じた。

【日本の投資家の注目は、中国からインドへ移行】
 また、ビジネス・スタンダード紙は、日本の事業創造・投資育成プログラム「ビーノス」がインドの投資に注目していると報じている。ビーノスは2年半前から新興市場に注目し、これまでにインド、インドネシア、ベトナム、シンガポール、トルコなど5ヶ国において10件の投資を行っている。

 ビーノスを運営するネットプライスドットコムの佐藤社長は、「中国、アメリカに続き、インドは最大のインターネット人口を持つ」ため、今後インドに投資する日本の投資家はふえるという。また、インドで次の大きなチャンスは携帯事業モデルだという。

 日印政府の連携強化により、日本企業のインド進出はさらに多くなるとみられる。昨年11月、日立がインドの決済サービス大手プリズムを買収した。日本ベンチャーキャピタル大手ジャフコは、インドのハイテクベンチャーの幾つかに投資している。

 インドのエンジェルネットワークのビクラム・ウパデアーエ氏によると、2014年は日本の投資家によるEコマースとハイテク空間におけるプライベートエクイティー及びベンチャーキャピタル取引の価値は3億5000ドルになるという。

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Text by NewSphere 編集部