「日本に今すぐ行くべき!」 海外メディアおすすめの観光スポット・体験とは?

 日本を訪れる外国人観光客の数は年々増加しており、日本の観光スポットに焦点を当てる海外メディアも少なくない。海外では日本の魅力について、第一に歴史や芸術など、いわゆる「伝統的な日本文化」、第二に近代的な側面、第三に大自然、この三つの切り口で紹介されることが多いようだ。それぞれのカテゴリーに当てはまる観光スポットや体験が海外メディアではどのように紹介されているのだろうか?

◆伝統的な文化との出会い
 日本観光に焦点を当てるガイドブックで大きな部分を占めているのは日本の伝統的な文化である。また、ネットでも歴史や芸術に触れることができるスポットが数多く取り上げられている。

 フォーブス誌の「今こそ日本を訪れるべき7つの理由」という記事は、昔から日本文化に大きな影響を与えてきた神道や仏教を実感できるスポットとして、島根県の足立美術館の日本庭園や北九州にある河内藤園をあげている。また、日本の歴史の代表的なスポットとして姫路城や京都の祇園を紹介している。

 さらに、日本の文化を体験するにあたって重要視されているのは、ラーメンや寿司をはじめとする食である。「今の日本が熱い10の理由」というAAP通信の記事は、欧米ではあまり知られていない日本のお菓子、とりわけ抹茶や黒ごまのアイスを強く勧め、食と共に日本の伝統文化に出会える場として、秋田竿燈まつりや阿波踊りといったお祭りも紹介している。

◆「kawaii」文化からトイレの技術まで―日本の近代的な側面
 海外における日本のイメージは依然としてソフトパワーと密接な関係をもっている。よって、海外メディアでは「kawaii」文化やロボットなどにまつわる情報が多い。キティちゃんをはじめとするキュートなキャラクターのガジェットやカフェが常に日本の大きな魅力として紹介されている。

 一方、日本には「変わったものが多い」という認識も強い。ロボット・レストラン、何でも購入できてどこにでもある自動販売機、カプセルホテル、また高い技術で知られているトイレも日本を訪れる際に見逃してはいけないポイントとしている。その他、日本の近代的な側面を見せる新幹線や山口県の周南コンビナートもユニークな体験として高く評価しているようだ。

◆桜だけではない―海外で愛される日本の大自然
 日本の大自然も観光客を魅了するポイントとしてしばしば取り上げられている。世界中で知られている桜はもちろん、富士山をはじめとするハイキングを楽しめる山々、撮影スポットとしても評価されている日本の滝100 選や残雪の棚田なども注目を浴びている。また、スクーバダイビングが体験できる沖縄の海も欧米観光客の関心を集めている。

◆東京の最もクールな街は?
 上記に加えて、最近欧米観光客の中でも人気を集めているのは東京の高円寺である。海外ウェブメディアで日本サブカルチャーの代表として取り上げられている高円寺は、現代美術のギャラリーやライブハウス、また洋服、バック、アクセサリーなど服飾関連品を取り扱うリサイクルショップのおかげで独特な雰囲気をもっており、ガーディアン紙の記事は「東京の最もクールな街」と評している。

◆日本の魅力の再発見
 従来日本を訪れる外国人観光客は、東京・京都・奈良というルートに沿って旅行していたようだが、人気が高まるなかで日本にリピート観光する旅行者も増えおり、定番の観光地から外れたルートに関心を持つ人も少なくない。それらのニーズに応えるため、今後海外メディアで「日本旅行」が大きなキーワードになり、次々と新たな情報が配信されるだろう。

 インバウンドマーケティングに関わっている企業も、日本の魅力を再発見したい一般の人も、海外メディアにおける日本のイメージに目を向けると面白い発見があるのではないだろうか。

Text by グアリーニ・レティツィア