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「かわいい」って言われたくない女性もいる…気をつけたい異文化コミュニケーション

  • カテゴリー:社会
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「かわいい」って言われたくない女性もいる…気をつけたい異文化コミュニケーション

「かわいい」「女子力高い」「できる女」など、褒めるつもりでこのような表現を女性に対して使う人が少なくない。しかし、女性は褒められたと理解しながらも、必ずしも喜ぶとは限らない。特に外国にルーツを持つ女性は「かわいいと言われたくない」と心の中で唱えることが多い。褒め言葉なのになぜ違和感を抱く女性がいるのであろうか?

◆言葉の中に潜むイデオロギー
 日常生活のなかでコミュニケーションを取る際に、一つ一つの言葉の意味合いを深く考えず発言することが多い。しかし、日本と違う文化で生まれ育った人であれば、日本語に対してネイティブスピーカーと異なる意識を持ち、言葉に潜む意味合いに気づきやすくなる。それゆえに、「かわいい」「女子力高い」「できる女」などの表現に潜むジェンダー・ステレオタイプに気が付き、褒め言葉であると理解しながらも、それに対して違和感を抱く海外出身の女性は少なくない。では彼女たちはそれらの言葉のどこに引っかかっているのだろうか。具体的に見ていこう。

◆「できる女」と「できない女」
 女性の同僚を褒めるためにしばしば使われているのは「できる女」という表現である。頼まれたことを早く処理することができる、自分で優先順位を把握し仕事をこなすことができる、などが「できる女」の特徴として挙げられる。しかし、これらの能力は仕事する上で当たり前のことであり、特別なことではない。また、同じ意味で「できる男」という表現が存在しない事実も興味深い。「できる女」という表現の裏に「女なのにできる」という意味合いが潜んでいるのではないかと、つい思ってしまうのだ。

 また、「できる女」の特徴としては、「仕事ができる」ことだけではなく、「気遣いが上手」という点もしばしば挙げられる。常に笑顔で対応することや思いやりを持つことが求められる。職場などで何かを机の上にこぼしてしまった際に、すぐにティッシュやハンカチを取り出せる女性こそ「できる女」だと思われる。また、このような女性が「女子力高い」と褒められることも珍しくない。しかし、この言葉の中にもジェンダー・ステレオタイプが潜んでいるのである。

◆「女性の力」の測り方
 ファッションやメイクなど、常にきれいな姿を見せる女性に対して「女子力高い」という表現がしばしば使われている。また、言葉遣いに気をつけることや料理ができることなども女子力の高さを表していると言われている。

 しかし、日本語を第二言語として習う人にとって、「女子力高い」の意味はショッキングなほどジェンダー・ステレオタイプを含んでいる。外国にルーツをもつ人が日本語を学ぶ際に漢字の意味を意識しながら言葉を覚えることが多い。「女子力」とは、「若い女性の力」を意味し、英語で訳すと「girl power」となることを考えると、若い女性の力は「きれいであること」「料理ができること」などで定義されており、「男性にもてること」と繋がっている。即ち、「男性の視点で女性の力を測る」という意味合いまで含まれているのである。

◆「かわいい」と言われたくない
 また、女性を褒めるために男性はよく「かわいい」という言葉を使う。ここで気をつけなければならないことは、日本のソフトパワーの影響で日本の国境を超えて世界中に広まった「kawaii」という言葉は、ニュートラルな言葉ではなくなっているということだ。ネットで「kawaii」というワードで検索してみると、ピンク色の丸いキャラクター、あるいは人形のような女性モデルの画像が表示され、それらのイメージが海外においては「かわいい文化」として認識されている。そのため、「小さくて丸いキャラクター」、あるいは「人形」と同じカテゴリーとして扱われ、可愛がるべき存在、守るべき存在として見られることに違和感を抱く女性が少なくない。

 それに加え、「かわいい」という言葉は女性の見た目や雰囲気を褒めるために使われることが多いが、現在世界では、見た目だけではなく、「魅力」や「賢さ」、「ユーモア」など、個々人の性格に伴う点に重きを置く女性が多く、そのことも忘れてはいけない。

◆言葉の意味に意識を―今こそ必要な異文化コミュニケーション
 ジェンダー・ステレオタイプは日本社会に限ったことでもなく、女性だけに伴うことでもない。男女問わず、相手の国籍と関係なく、言葉の意味合いを意識しながらコミュニケーションを取ることは大切だ。すべてのステレオタイプと同様に、ジェンダー・ステレオタイプも無意識・自動的に生まれるものであり、気づくことが難しい。しかし、現在日本でも求められている異文化コミュニケーションのスキルを身につけるために、自分とは違うバックグラウンドを持つ人と働く際は、言葉に潜んでいるジェンダー・ステレオタイプに注意する必要があるだろう。

(グアリーニ・レティツィア)南イタリア出身で、2011年から日本に滞在。ナポリ東洋大学院で日本文化を勉強してから日本の大学院に入学。現在、博士後期課程で日本現代文学とジェンダーを研究しながら、Webライターとして海外旅行、異文化、難民などについて執筆。

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