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「Dr.」ではなく「Ms.」 小保方氏呼称から透ける海外紙の批判

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「Dr.」ではなく「Ms.」 小保方氏呼称から透ける海外紙の批判

 STAP細胞の再現実験が理化学研究所において成功しなかった。科学の仮説を実証するのは、つねに仮説提唱者以外の研究者による再試(追試)のみである。今回、小保方氏が直接、関与してもSTAP細胞の再現実験は成功しなかった。論文の取り下げ、再現実験の不成立により『STAP細胞研究』は完全に終えんを迎えたが、失われたものは大きい。

◆「STAP細胞研究」の終わりの始まり
 『はじめは童話のようだった悪夢の、終えんのベルが鳴った』と報道に対して述懐するのは、STAP細胞研究報道のあらゆる局面で、その都度、的確な説明を発表してきた幹細胞研究者で科学ブロガーの、カリフォルニア大学医学部のポール・ノフラー准教授だ。

 ノフラー氏によれば、ほんの三カ月前にブリガム・アンド・ウィメンズ病院のチャールズ・バカンティ氏と小島宏司氏はSTAP細胞について再度、その実在を確認したとして製法についての手順を公表したばかりだった。バカンティ氏らは『われわれは絶対の確信をもって』と強調し『STAP作成に際してATPを加える』ことを主張したが、これは以前にはなかったものだ。この度の小保方氏の再現実験においてバカンティ氏のいう ATPを使った新方式が行われたかは不明だという。

◆海外メディアが驚愕した、不可解な事実
 小保方氏はSTAP細胞の再作成が成功しなかったとは述べず、『予想をはるかに超えた制約の中で』想定した結果がえられず、心身とも疲れたので退職し、未熟さがゆえに論文を取り下げざるをえなかった『騒動』に対し『関係者に謝る言葉もない』としているだけである。

 この声明を海外メディアには、一様に驚きをもってコメントし、SCIENCE誌デニス・ノーマイル記者は小保方氏の『大変困惑し…』という発言を『remain very puzzled(きわめて困ったままでいる)』と報じ、これを謝罪とは解釈せず『この声明は予想どおり』とし、小保方氏は『STAP細胞の存否について明確にしていない』と断言する。ノーマイル記者はまた、元理研CDB副センター長笹井芳樹氏の自殺、同センターの大幅縮小などもあわせ、一連の動きを『スキャンダル』としている。

 ニューヨーク・タイムズ紙、マーティン・ファクラー記者は、下村文部科学大臣は今回の不祥事が日本の科学研究評価に多大な損害を与えたことを憂慮して『科学の世界では不正に対して断固たる措置をとるべき』と語ったとし、小保方氏の『perplexed(当惑した、まごついた、面倒なことになった)』という発言を驚きをもって報じた。記事では小保方氏を『Ms. Obokata』と記述している。この種の英文文献では博士号保持者へは『Dr.』と敬称をつけるか、あるいは敬称をつけないのが通例であり、この扱いは異例な批判というべきものだ。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙、アレキサンダー・マーチン記者は、問題の部分を『confused(困惑した、混乱した、まごついた)』と記述し、三紙ともその記述に苦慮し困惑を隠せないのが見て取れる。

◆当事者、関係者たちの混迷 ―― 『役所体質』をさらけ出した理化学研究所
 検証チーム責任者の相沢慎一氏は記者会見において『科学者を犯罪者扱いするなどしたくない』などと語った。同氏はSTAP細胞の再現を科学的に行うことを監督するのがその任務であって、犯罪者か否かは司直の手に委ねるべきことでありこの発言は同氏の権限を逸脱している。理化学研究所理事長、野依良治氏は『心労が重なり...心の負担が増すと懸念し、本人の意志を尊重...前途ある若者、前向きに新しい人生を...』と語った。小保方氏、理化学研究所など関係機関は釈明を行うに際し、しきりに周囲の『関係者』への配慮のみに言及する。これらの発言のなかに、もしかしたら達成されたかも知れず、今回のこの一連の不祥事で研究する機会を絶たれて失われたであろうまったく別の『科学研究成果』を哀惜し遺憾とする、『科学』だけを前に据えた反省の思いはまったく感じられない。

 真に謝罪すべきは、国民の負託を担い税収でまかなわれる巨額の『科学研究費』の不正・不適切な使用、他の優秀な研究者志願者が得られたであろうポストを、虚偽の方法で取得した資格で不正に就任して機会を奪ったこと、さらにノフラー氏が指摘する『世界の研究者が追試のため費やしたぼう大な時間と研究費用』である。これを小保方氏だけではなく組織ぐるみで行ったということである。『追試のための時間と費用』については、当事者・関係者からは言及すらない。

 野依氏の『前向き』発言は、個人として本人を前にして言うべき事であり、記者会見での公式見解ではありえない。日本はかつて『科学技術立国』を標榜し、その重要さは先の大戦における物量だけでなく科学技術レベルにおいても明らかになった決定的な敗戦でも身にしみてわかっていることであり、一瞬の遅疑逡巡も許されない。

 このような場で公私をわきまえず、役所体質を露わにして億面もなく発せられる言葉や、日本語独特のあいまいさの下に問題の本質を糊塗する対応は、事が『科学』に関わることだけに、国際社会では理解しがたいこととされる。世界のメディアはSTAP細胞の研究の経緯以上に、その研究に対する対応ぶりに驚いていることを忘れてならない。全国民、全世界の科学界が注視しているという自覚を、大きく欠いた行為であろう。

 いまや『世界の三大科学スキャンダル』とさえ言われている不祥事に、当事者、関係者から語られることは世界の一般の良識をはるかに逸脱している。

◆どうすべきなのか
 STAP細胞研究不正の問題はなぜ、起きたのか。総括として多くの重大な教訓を残したが、どうしたら再発を防げるのか。筆者が考えるのは下記3点だ。
(1) 日本の科学界の『役所体質』を一掃し、改革をドラスティックに始めるべき。そうでないと、『中村修二』『南部陽一郎』のように、優秀な研究者から順に日本脱出が始まる。
(2) 『記者クラブ』制度を、すぐにでも撤廃する。大手メディアの記者は、相変わらず官製 『記者会見』でプリントをもらい『大本営発表』さながらに、そのまま流しているだけ。餌付けされたジャーナリストには、健全な批判精神はどこからも生まれない。STAP細胞研究発表について冷静に報道した大手メディアは皆無だった。無能・ 無責任なジャーナリストの責任は大きい。
(3) 『Nature』など有力誌による、やりたい放題の横暴を阻止する。一部のノーベル賞受賞者の研究者は、Nature、SCIENCE、Cell誌に投稿しないと公言している。小保方氏論文は、SCIENCE、Cell、Nature誌の順に投稿され、受理されなかった。ところがNature誌は論文受取10ヶ月後に『突然に』掲載した。この掲載はNatureによって仕組まれた購読料を稼ぐための『ブラフ』だったのだ。

サイエンス・ジャーナリスト
作井 正人

(Newsphere編集部)

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