東南アジア3ヶ国の訪日ビザ免除へ 先行実施のタイ・マレーシアは観光客61%増と効果大

 政府・与党が、インドネシア、フィリピン、ベトナムから日本への観光客の査証(ビザ)を免除する方向で調整していることがわかった。共同通信が14日報じた。6月に改定する「観光立国実現に向けた行動計画」に盛り込む方針だという。

 政府は、2020年の東京五輪開催を弾みとして、訪日外国人旅行者の年間2000万人達成を目指している。今回の措置で、イスラム圏を含む東南アジアからの旅行者を増やす狙いだという。

 2013年には、年間訪日外国人旅行者数が初めて1000万人を超えた。そのうち東南アジアからの訪日旅行者数は約10分の1を占める。

【東南アジア3ヶ国からの観光客は増えるか?】
 日本は2013年7月、タイとマレーシアに対してビザを免除した。その結果、両国からの2013年の旅行者は計約63万人で、前年比61%増だったという。

 フィリピン、ベトナム、インドネシアには、これまで商用、専門家・政府関係者、親族訪問のみに発給していた、数次有効な「マルチプル・ビザ」を一般観光客にも適用した。

 インドネシアの2013年の訪日観光客数は約14万人で、フィリピンが約11万人、ベトナムが約8万人。ビザが免除されていない国の中では、中国に次いで多いという。

 経済成長を反映し、これら東南アジア3ヶ国で海外旅行の需要が高まっていることを考えると、ビザ免除により訪日者数はかなり増える、という見解をバンコク・ポスト紙は伝えている。

 ただ、在フィリピン日本国大使館はまだこの報道を確認していない、とフィリピンのニュースサイト『INQUIRER.net』は報じている。

【フィリピンのネットユーザーの反応】
『INQUIRER.net』のコメント欄には、下記のようなコメントが寄せられている。

・ビザ免除になるなら、観光客には税率の低い特別価格にしてくれないと、レストランは高くて食事できない
・桜、東京ディスニーランド、高級寿司、丁寧な日本人、きれいなホテルが日本の印象
・日本がまずすべきは、フィリピン人技能実習生への技能移転を続けること。フィリピンの多くの職のない労働力は、渡航より仕事を求めている

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Text by NewSphere 編集部