STAP細胞、別マウスで実験か? 新たな疑惑を海外紙報じる

 1月にネイチャー誌に発表されたSTAP細胞の研究について、誤りや疑惑が次々と報じられている。

 掲載された論文では、血液細胞を弱酸につけるだけで幹細胞に変化させることができるとし、これまでの方法よりも簡易で、幹細胞を利用した医療を大きく進歩させることが期待されていた。

 しかし、他の研究者たちが今のところ細胞の再現に成功していないことや、実験画像の複製・転用が指摘され、理化学研究所とネイチャー誌は調査を開始している。

【マウスの種類が違う】
 論文の共同執筆者である山梨大学の若山照彦教授は、26日、ネイチャー誌に掲載された内容と、一部の実験に整合性がないと指摘した。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、同教授は、理研の小保方晴子・研究ユニットリーダーによって提供された幹細胞2種類を使い、予備的分析を行った。しかし、実際にはそれらの細胞は、小保方氏が説明したマウスとは違う種類のものだったという。小保方氏は、129系統のマウスと話したが、若山氏の研究所による遺伝子解析では、B6とF1系統の違う種類のマウスだという結果が出た。

 若山教授は、「信じがたい間違いだ」とし、うっかり間違ってしまうというレベルの問題ではないと示唆。ただし、この誤っていると同氏が指摘したデータは、ネイチャー誌に掲載された論文には使用されておらず、論文を否定する根拠にはならない、とも話したという。

 これに関する小保方氏からのコメントはまだ報じられていない。

【過去に遡って指摘される信頼性】
 研究に関わった多くの研究所のうち、今やたった2ヶ所しかその成果を認めていない、と米科学誌「ザ・サイエンティスト」は報じている。

 3月19日には、学術誌「ティッシュ・エンジニアリング・パートA」がSTAP細胞と同じ研究者たちによる2011年の論文の不適切な箇所を指摘した、と「リトラクション・ウォッチ(学術文献の撤回を取り上げるブログ)」が報じた。さらに、小保方氏の過去の博士論文の一部が、アメリカ国立衛生研究所のウェブサイトから盗用したものだった疑いがある、とサイエンス誌は懸念している。

【ネイチャー誌は慎重な対応】
 香港中文大学のケネス・リー教授は3月13日、科学者・研究者向けのソーシャル・ネットワーク・サービス「リサーチゲート」に、STAP細胞の論文内容に沿って追試を行ったがうまくいかなかった詳細を投稿した。またネイチャー誌にも掲載を求めたが受け付けてもらえなかったという。同誌はその理由として、内容が掲載基準に満たないと説明したようだ。

 ネイチャー誌は、STAP細胞の論文について、調査は継続中だとしている。

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Text by NewSphere 編集部