集え世界の料理人、真の和食を海外へ 新たなクールジャパン戦略への反応とは

 法務省は海外に向けた日本食推進活動の一環として日本食を学ぶ外国人に対する在留資格を提案している。毎日新聞によれば、この在留資格は外国人に日本料理店での2年間の就業によって、「日本食の伝道師」として母国へ帰国してもらおうというもの。法務省は既に新しい在留資格付与を提案済みで、具体案は年内にまとめられる見通しであることをグルメサイト「デイリーミール」は伝えている。
 
【日本の食文化を広め、日本料理を「クールジャパン」の柱に】
 食文化は、アニメ等の文化同様「クールジャパン」の大きな柱となることを「デイリーミール」は伝えている。海外には約55,000の日本料理店があり、その殆どが日本人による経営ではなく、料理も本物とはほど遠いことを同サイトは指摘している。法務省は、在留資格によって修練を積んだ料理人を送り出す事で海外の和食の人気を促したい意向である事を同サイトは伝えている。

 しかし、伝統的な体制の元でプロの和食料理人になるには、マニュアル化された習得方法はないことをウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。掃除や食器洗い等を何年か行い、親方の仕事を観察する事で見に付けていくものであることを指摘している。

【海外の反応】
 今回の報道を受け、ソーシャルニュースサイト「レディット」では、以下のような意見が挙がっている。
・ または日本人の料理人が海外で働く為に外国語を勉強するか。東京に行く料理人はごく一部だしほとんど意味がないのでは。
・ 記事によると50,000軒もの日本料理店が海外にあり、関心の高まりが在留資格の提案につながったから、ごく一部ではないのでは?日本人の料理人を海外に送り出すメリットはないよね?
・ 料理人を送り出す事は食文化を送り出す事だ。日本人の料理人がNYやロンドンやパリ等世界の大都市で名声を得れば日本にとってはプラスになる。
・ 本物の日本料理が一般的なものになったら一流の料理人が世界中で必要になる。その第一歩として日本にいる外国人の料理人が習得し、日本で学んだ技術を海外の料理学校で伝えればいい。

【在留資格提案の背景に無形文化遺産への登録、その影響は?】
 日本食はユネスコの無形文化遺産への登録が見込まれることをウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。12月2日から7日にアゼルバイジャンで開かれる政府間委員会で正式に登録される見通しだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は無形文化遺産への指定は2020年までに農産物の輸出を倍にするという安倍総理の計画を鼓舞するものとなるだろう、という見解を伝えている。一部の日本の農産物市場は毎年海外に輸出されているが、国際的には日本の食材は輸入に頼っているという認識を同紙は報じている。

Text by NewSphere 編集部