オリンピック開催地はイスタンブールが最有力? 海外紙が予測

 日本時間8日未明、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれている国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京(日本)、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)の3都市の中から、2020年夏季オリンピックの開催地が決定される。東京は、福島原発からの汚染水漏れの懸念、イスタンブールはデモの影響とインフラ整備の遅れ、マドリードは経済危機、と3都市がそれぞれ課題を抱えている。

 海外各紙は、2012年五輪の開催地を決める際、最有力候補地とされていたパリではなくロンドンが選ばれたことから、今回の結果も予想は難しいとしつつも、イスタンブールが有力と分析している。

【イスタンブールが最有力 その理由は?】
 5回目の立候補となるイスタンブールは、好景気で国民の支持も厚く、若年人口層が広がっている事をニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。

 また、近年IOCは、これまで開催された事のない都市や国を開催地にしており、イスタンブールになる可能性が高い、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は分析している。国民の大多数がイスラム教徒で、ヨーロッパとアジアの境界に位置するイスタンブールは、「スポーツを通して人々を繋ぐ」というオリンピックのメッセージを具体化できる唯一の候補地ではないか、と同紙は伝えている。

【イスタンブールの課題】
 一方イスタンブールの課題としては、3都市の中で最もインフラ整備が遅れ、社会に混乱が生じていることを各紙は指摘している。エルドアン首相に対する抗議行動、隣国シリアへのアメリカによる軍事介入の可能性、ドーピング問題によっても決定が危ぶまれる可能性がある、とニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。

 ただ、インフラ問題は2014年のワールドカップ開催地のブラジルにも指摘されており、反対運動は2014年冬季オリンピック開催地のソチでもあったため、乗り切る事ができるのではないかと同紙は分析している。

【予想で人気の東京ではない?】
 英国のオンラインでの賭けデータを集めているサイト(oddschecker.com)の予想では東京が一番人気である(6日19時現在)。1964年の東京オリンピックと同じ会場を使えるという点でリスクが低い。懸念されている福島原発の汚染水漏れに関しては、猪瀬都知事が、ロンドン、パリ、ニューヨーク等の都市と東京の放射能レベルは変わらない事を主張しているとウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えている。

 ただ、IOCは2008年の北京オリンピック、2018年冬季オリンピックの韓国に続いてアジアを開催地に選ぶのは避けたいところだろう、とニューヨーク・タイムズ紙は分析している。

 また、IOCが春に行った世論調査によると東京での支持率は70%で、マドリード76%,イスタンブール83%と比較すると低い水準だった。

Text by NewSphere 編集部