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安倍首相が語るアフリカ戦略と、「上から目線」の中国報道

  • カテゴリー:社会
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 来る6月1日~3日、日本の横浜で、5回目のアフリカ開発会議(TICAD)が開催される。TICADとは、日本政府による、アフリカの開発をテーマとする国際会議で、5年に1度開催されてきた(国連、世界銀行等と共催)。

 5回目にあたる今回は、アフリカ大陸54ヶ国中51ヶ国が参加。そのうち40ヶ国は首脳が来日する。
 今回の会議に賭ける日本政府の意気込みは、かつてないほど強いという。もともと資源が少なく、福島第一原発の事故の影響もあり、経済復興を支える「資源」へのニーズは高まる一方だ。
 資源が豊富で、著しい経済復興によって拡大の一途をたどる市場を抱えるアフリカは、日本にとって非常に魅力的な存在だという。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、日本の現状と将来の展望を占うと同時に、安倍首相の寄稿を載せて、多角的な報道を行った。一方、人民日報傘下のグローバル・タイムズ紙は、アフリカに近づく日本の政治的意図を探るとともに、中国の圧倒的なリードを誇示した格好だ。

【日本の現状と今後の戦略】
 安倍首相はTICAD期間中、4日間で50人近くのアフリカの首脳や要人と会談を行う。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、過去6年間めまぐるしく首相が交代したのとは違う、「長期的で信頼できる」関係づくりのアピールを見てとった。

 しかし同紙は、アフリカ諸国との関係づくりにおいて、日本が中国に大きく遅れを取っていると指摘している。2011年の日本の直接投資額が4.6億ドルだったのに対し、中国は310億ドル。貿易額は約300億ドルで、中国は1660億ドルの中国の5分の1にも満たない。さらに、進出企業は600社程度で、中国の2000社の3分の1以下だ。
 日本が「出遅れた」背景には、アフリカの厳しい環境や政治的不安定、戦争やテロのリスクへの懸念があったと分析している。今年1月のアルジェリアのガス施設におけるテロ事件で邦人10名が命を落としたことも未だ記憶に新しく、日本の企業の出足を鈍らせている模様だという。
 こうした実情に鑑みて、政府内には「中国と競うのではなく、協調したほうが、資源の獲得やアフリカ各国との協力関係の構築に利するのではないかとの意見もあるようだ。
 専門家も、たとえばアジアへの輸送に適した、アフリカ東部海岸沖で発見された天然ガスの開発などにおいて、日中両国が協力しあうことは多いにありうるとの見解を示しているという。

【中国の見解】
 一方、中国は日本の熱意に対し、アフリカへの影響力を増しつつある中国を意識していると見ているようだ。
 人民日報傘下のグローバル・タイムズ紙は、安保理の常任理事国入りを目指す日本が、アフリカ諸国の支持をとりつけようと目論んでいる、との専門家の意見を紹介した。
 さらに、清華大学現代国際関係研究院副院長の劉江永氏は、安倍首相は就任以来、中国をライバル視し、周辺国との同盟関係を強めることによって、中国の影響力を削ごうとしてきたと分析。その動きが、周辺海域を超えて、アフリカにも及んだと見ているようだ。

 ただし同紙は、景気の停滞にとらわれている日本には、アフリカに潤沢な資金を投入する余力がないという分析も紹介。対して、アフリカへの最大の投資国である中国は、今後も長く発展的な関係を維持することができる、との見解を紹介している。

【安倍首相の狙い】
 安倍首相は、ウォール・ストリート・ジャーナル紙に、今後の日本の展望を寄稿した。
 安倍首相は、資源に乏しい日本が復興を遂げた背景にあるものが、唯一の資源である「人材活用」であったと語り、今後のアフリカの発展に不可欠の「人材育成」における日本の強みをアピールした。
 目覚しい成長を遂げるアフリカの各国が、今後もその勢いを維持するためには、国家間の関係強化が必須であると説いた。アフリカ開発会議を通じて日本が行ってきた、「ワンストップ・ボーダー・ポスト」(越境の簡素化・短時間化を計る取り組み)の拡大を約束。
 さらに、小規模園芸農民組織強化・振興ユニット(SHEP UP)の成功と広がりなどを挙げて、日本の「力」を訴えている。
 また、日本は今後も、人道支援や、海賊討伐のための兵士の教育を含めた協力を行っていくと表明している。

 またウォール・ストリート・ジャーナル紙は、「アフリカの声」として、駐日ジンバブエ大使スチュアート・コンバーバッハ氏の談を紹介している。
 同氏は、「西と東の、強大な国家権力の代理戦争の舞台となり、多大な犠牲を払ってきた」アフリカの歴史に言及。二度とそのような事態は望まないとし、日本と中国がアフリカにおける覇権を競い、アフリカ諸国がその肩代わりをさせられることは望まないと釘を刺したという。

 日本は、そして中国は、豊かで広大な大地に何をもたらし、何を得ることができるのだろうか。

(Newsphere編集部)

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