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ネッシー発見以上の奇跡、レスターのプレミア制覇はなぜ起きた? 仏教、ピザも後押し?

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ネッシー発見以上の奇跡、レスターのプレミア制覇はなぜ起きた? 仏教、ピザも後押し?

 イングランドのサッカー・プレミアリーグでレスターシティが奇跡的に優勝した話は、サッカーファンでなくてもニュースで目にしただろう。しかしプレミアリーグに詳しくないと、昨シーズンは降格の危機にあったとか、クラブ創設132年でのプレミアリーグ初優勝と言われても、いったいどれほど「すごいこと」なのかピンとこないかもしれない。そこで、レスターシティ優勝がどれほど「あり得ない」奇跡だったのか、イギリスのブックメーカーのオッズを紹介しながら、勝利の秘密を探ってみたい。

◆レスター優勝よりエルビス生存の方があり得る!?
 イギリスのブックメーカーは今シーズンが開幕した2015年8月の時点で、レスターシティ優勝のオッズは5000対1と予測していた。BBC(4月26日)の記事によると、これよりも低いオッズ、つまり「レスターシティ優勝より可能性が高い」と判断されたのは、以下のようなものがあった。

 ネス湖のネッシー発見、500対1。スコットランドのネス湖に生息するとされている未確認動物のネッシーが発見される可能性は、レスターシティ優勝と比べるとだいぶ高いとみられていた。

 ウィリアム王子とキャサリン妃に三つ子、1000対1。ジョージ王子、シャーロット王女に続き、ウィリアム王子夫妻に三つ子が出来るという可能性は、レスターシティ優勝の可能性の5倍とされていた。

 エルビス・プレスリーが実は生存、2000対1。エルビス・プレスリーは1977年に亡くなったが、ファンの間ではいまだに「プレスリー生存説」が根強くある。ブックメーカーは、実際にプレスリーが生きている可能性の方が、レスターシティ優勝よりも高いと判断していた。

◆奇跡はなぜ起きた? ピザで無失点試合達成
 ブックメーカーのオッズを見て、レスターシティ優勝がどれほど「あり得ないこと」だったのか何となく理解できただろう。まさに奇跡といっていいことが起きたわけだが、その背景には、選手の努力と監督の采配以外に何があったのだろうか?

 今季就任したラニエリ監督はイタリア出身だ。4月6日付のフットボール・イタリアによると、ラニエリ監督は選手たちに「無失点試合を」と言い続けていたのだが、達成できていなかった。ある日監督はクリスタルパレス戦の前に、「無失点試合を達成したらピザをふるまう」と約束。すると見事にクリスタルパレスを0点に抑えて勝利したのだった。約束通り選手たちをピザレストランに連れて行った監督は、そこで選手たちにこう言った。「何でも努力して手に入れなきゃダメだ。ピザも自分で作りなさい」。選手たちはピザ生地とチーズ、ピザソースを持ってレストランのキッチンに行き、それぞれピザを作ったという。監督は、「あのピザの後、無失点試合をいくつも達成した。偶然じゃないと思うよ」と話している。

◆勝利に向けた善行と信心
 さらに、勝利の裏にはタイの僧侶たちによるサポートもあった。2010年にレスターシティのオーナーになったタイ出身のヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏は、熱心な仏教徒だという。とくに黄金仏寺院(ワット・トライミット)のプラ・プロマンガラチャン師に傾倒しており、テレグラフ紙(4月30日付)によるとスリヴァッダナプラバ氏は、ホームゲームのときは同師をはじめ10人ほどの僧侶を自身のプライベートジェットで招待していた。僧侶たちはキックオフ前に選手の祈祷を行い、試合中はスタジアム内に特別に用意された部屋で座禅を組んでいたという。

 プラ・プロマンガラチャン師によると、レスターシティがプレミアリーグ最下位だったとき、スリヴァッダナプラバ氏は「十分な徳を積んでいないからだ」として、タイ国内外で寺院を建てたり僧侶を支援したりして、良いカルマを作るべく活動したという(4月29日付CNN)。オーナーのそうした善行がチームへの応援へとつながり、レスターシティ優勝への大きな力になったのだと同師は言う。とはいうものの、「(祈祷は)魔術でも何でもない。我々ができるのは精神的なサポートだけ。これが選手の健康維持や怪我をしないこと、集中力などの助けにはなったが、それでも優勝するには選手がいい試合をする必要があった」としている(テレグラフ紙)。

 選手たちは仏教徒ではなくそれぞれの宗教を持っているため、僧侶の祈祷に当初は懐疑的で無関心だったという(CNN)。テレグラフ紙は2015年5月に、ジェイミー・ヴァーディ選手が試合前の祈祷について、「棒を聖水につけて足を叩くから、シャワーみたいにビチャビチャになる」としながらも「それがタイの文化だし、儀式をやってくれて嬉しいよ」と話す様子を報じていた。当初無関心だった選手たちが僧侶の祈祷を積極的に受け入れるに至った背景には、宗教や文化の違いを乗り越えるほどの「勝ちたい」という思いがあったのではないだろうか。

◆黄金仏寺院、ファンの聖地に
 5月4日付のトロント・スター紙(電子版)によると、黄金仏寺院は今やレスターシティ・サポーターの聖地となっている。プレミアリーグはタイでも人気なのだが、かつてはマンチェスター・ユナイテッドやリバプールを応援していた黄金仏寺院の若い修行僧も、今やレスターシティを応援しているという。寺院はプロマンガラチャン師が祈祷した黄金のお守りをレスターシティの選手全員に配る予定だが、同じお守り(ただし同師による祈祷はなし)は、約2200ドルで寺院にて販売している。レスターシティの5000対1の奇跡にあやかりたい人は、お守りを買ってみるとご利益があるかもしれない。

 しかし、勝ちたいという気持ちがあれば奇跡は起こる、とレスターシティの選手たちは教えてくれた。お守りでもピザでも祈祷でも、何かを純粋に信じ、強く願う心が大切なのかもしれない。

(松丸さとみ)

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