W杯、日本は予選突破できるか? ベスト16進出確率は「33%」ゴールドマン・サックスが徹底分析

 サッカーFIFAワールドカップ・ブラジル大会が、日本時間6月13日に開幕となる。各国を代表する32チームが、優勝を目指して競い合う。その勝負の行方を、ある意外な企業が予想した。世界有数の金融機関、ゴールドマン・サックスである。

【本業以上? ゴールドマン・サックス入魂のレポート】
 同社は27日、『ワールドカップおよび経済状況2014』と題するレポートを公表した。出場する各チームの勝敗確率のほか、チームのプレイ・スタイル、各国のサッカーを取り巻く環境、経済状況などを分析したもので、67ページに及んでいる。

 執筆には、世界中の同社スタッフが携わっている。普段の業務において経済分析に用いる専門的スキルを、このレポートに惜しみなく注いでいるようだ。プロジェクトの代表者は、巻頭の言葉で、「世界中のスタッフが、本業のほうにも、これぐらい身を入れてくれるといいのですが」と述べている。

【経済分析の専門家たちが出した答えは…】
 予想に当たっては、一次リーグから決勝戦に至るまで、全ての試合の勝敗確率を計算しているという。各チームの、期待される得点力を回帰分析により求め、その後、コンピューターで試合のシミュレーションを行った。分析には(親善試合を含まない)1960年以降の全ての国際公式戦、約14,000試合のデータを使用しているという。また、「世界サッカー・イロ・ランキング」を重視しているという。

 その結果、今回のワールドカップで、最も優勝の可能性が高いのは、ブラジルだということが判明した。その確率は48.5%にも上るという。これは他のチームと比較して圧倒的に高い。『The Wire』が紹介するところによれば、レポートは、「サッカーの歴史上、最も成功しているチームが、自国開催のワールドカップで優勝の本命だとしても、まったく驚くようなことではない。しかしそれでも、われわれの(推測)モデルにおける、ブラジルチームの優位は、やはり際立っている」と述べている。

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』の引用によると、ベスト4進出の可能性が最も高い国は、ブラジル、ドイツ、アルゼンチン、スペインとのことだ。

 また、高名な宇宙物理学者であるスティーブン・ホーキング博士も、今回の優勝国はブラジルだと予想していると、『The Wire』は伝えている。もしもゴールドマン・サックスと、ホーキング博士の予想が的中すれば、前回の南アフリカ大会で優勝国を的中させた「蛸のパウル君」に次ぐ例となる、と記事は述べている。

【気になる日本の優勝確率は…】
 ゴールドマン・サックスの予想では、日本の優勝確率は0%である、と『ウォール・ストリート・ジャーナル』が伝えている。一次リーグを突破し、決勝トーナメントに進む可能性は33.8%。ベスト8入りは9.9%、準決勝進出は1.4%、そして決勝まで進む確率は、顕微鏡レベルの0.3%だと、記事は述べている。

 予想に当たっては、得点力が評価基準とされたため、日本にとっては辛口の予想となったのかもしれない。

【ブラジル国内で激化するデモ。今後の行方は?】
 ワールドカップ開幕に向けてお祭りムードが徐々に高まっていく一方で、ブラジル国内では反対デモが激化している。開催が間近に迫ったこの時期になぜ、という疑問を抱かれるかもしれないが、どうやら狙いは、開催を中止することにはないようだ。『アルジャジーラ』に寄せられたコラムが分析している。

 それによると、デモの狙いは、低所得層をないがしろにする政府への不満を表明することと、国際社会にブラジルの真の姿をアピールすることにあるようだ。そのためには、世界の注目がブラジルに集まっている現在こそ、まさに好都合である。従って、ワールドカップが開幕した後もデモは続き、なおかつ規模も拡大していくだろう、と記事は述べている。

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Text by NewSphere 編集部