なでしこジャパン、初のアジア女王に 佐々木監督のW杯向け構想に中国メディアなど注目

 ベトナム・ホーチミン市で14日から開催されていた「2014 AFC女子アジアカップ」の決勝が25日に行われた。日本代表「なでしこジャパン」が、ディフェンディングチャンピオンのオーストラリア代表「マチルダス」を1対0で下し、初優勝した。

 日本は前半28分に岩清水梓のゴールで先制。後半のオーストラリアの猛攻撃を守り抜いた。

 また、主将の宮間あやが大会の最優秀選手(MVP)に選ばれた。

 本大会には8ヶ国が参加。日本、オーストラリア、中国、韓国、タイの上位5ヶ国が、来年カナダで開催される女子ワールドカップの出場権を獲得している。

【アジアカップのジンクスを破り、アジア1位へ】
 日本は1977年に初めてアジアカップに参加。以来、準優勝が4度、3位が3度だった。日本はついにアジアカップのジンクスを破り、アジア1位の地位を固め、苦渋の37年に終止符を打った、と中国新華社通信は報じている。

 また、準決勝の中国戦で120分以上プレーしたものの、佐々木則夫監督はスタメンを変えなかったと同メディアは報じている。オーストラリアはフォワードをケイトリン・フォードから、経験豊富なサマンサ・カーへチェンジした。

 『スポータル』は、日本はピンチの場面もあったが、「さすが世界チャンピオン」だけあって、トレードマークの“巧妙で技術的なプレー”で大健闘したと報じた。

【来年のW杯に向けた、佐々木監督の戦略】
 佐々木則夫監督は「このアジアカップには、クラブスケジュールが合わず何人か選手を連れてこられなかった。でも代わり若い選手にポテンシャルがあることがわかり、将来のためによい経験となった」「現時点ではワールドカップとオリンピックを経験した選手とこれらの新しい若い選手にはギャップがある。だから来年のワールドカップで勝つため、今後12ヶ月は2つのグループを組み合わせて1つにする」と語ったという。

 ワールドカップと女子アジアカップの両方で優勝し、佐々木監督は今、世界的なタイトルを防衛することに注力している、と中国新華社通信は報じた。

 一方、オーストラリアのアレン・スタイチッチ監督は試合後、「日本は今日、なぜ世界のトップチームの1つであるかを証明した。でも我々も遠くないと思う」と述べたという。また、最後まで世界のトップチームに対してよく戦ったと自身のチームをたたえ、「うまくいけば、来年のワールドカップまでに練習でもう少し上達し、大国を打ち負かす」と語ったとAAPは伝えている。

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Text by NewSphere 編集部