“究極の幸せ探しだ” 9000人の裸男が争う祭りに、海外メディア驚き

 約9千人の男たちがふんどし姿になって宝木を奪い合う。奇祭「西大寺会陽」が15日夜、岡山県の西大寺観音院で開かれた。室町時代から続く伝統行事で、今年で505回目となる。その様子を多くの海外メディアが報じている。

【究極の幸せ探し】
 「会陽」は「裸祭り」とも呼ばれる。男たちはふんどし姿となり、冷たい水で身を清めた後、「わっしょい、わっしょい」の掛け声が響く中、大群となって本堂に押し寄せる。高さ約4mの本堂の「御福窓」から2本一対の宝木が投下されるのを待つためだ。

 夜10時、宝木が投下されると、男たちは押し合い、つかみあい、激しい争奪戦となる。ふんどし一枚の男たちが空に向かって手を伸ばす姿は、何か着るものを恵んでくれと哀願しているかのように見える、と英デイリーメールは伝えている。

 幅4㎝、長さ20㎝の宝木を勝ち取った福男には、一年間の健康や長寿など五福が授かるとされている。

 幸運の木の棒を巡って戦うと聞くと、ゲームショーのように思えるかもしれない。しかし、裸祭りは500年以上の伝統がある神聖な行事である。いわば、「究極の幸せ探し」、とハフィントンポストは表現している。

【全裸じゃないの?】
 裸祭りと聞くと、全裸で参加する祭りと誤解されがちだ。デイリーメールにも、「全裸じゃないのか」、「裸じゃなくてオムツをつけてる」というコメントが多く寄せられた。

 また、男性のみが参加する祭りのため、「エルトン・ジョン(ゲイであると公言しているミュージシャン)のパラダイスだね」「乱交パーティーみたい」「女の祭りはないの?」という意見もあった。

 さらに、裸をありのままの自分と向き合うこと、と結びつける意見もある。「北アメリカでは全裸になることにまだためらいがある。ためらいの気持ちを克服すれば、本当に自由になれるのに」というコメントも寄せられている。

 参加者に服を脱いでもらう祭りは他にもある。デイリーメールは先月東京で行われた寒中みそぎを紹介している。日本中から約100人の男たちが鉄砲洲稲荷神社に集まり、6度という寒さの中で、ふんどしと鉢巻だけになった。冷たい池の水に浸かり、氷の塊を抱えて、身を清めるためだ。心身を清めることで、精神世界に近づき、成功をつかむことができるのだ、と伝えている。

奇妙な祭り―日本全国“奇祭・珍祭”四四選 (角川oneテーマ21)

Text by NewSphere 編集部