2050年の世界:インドがGDP(PPP換算)でアメリカを抜いて世界2位、日本は8位に

 プロフェッショナルアドバイザリーファームのプライスウォーターハウスクーパース(PwC)が、2050年までの世界経済の見通しを分析したレポート「The World in 2050」を発表した。

 このレポートで注目を集めている点として、購買力平価(PPP, Purchasing Power Parity)換算のGDPにおいては、2040年にアメリカはインドに抜かれ、中国、インドに次ぐ第3位になるという予測だ。アメリカは2014年にPPP換算のGDPで中国に抜かれていた。

 日本のPPP換算GDPは、2016年の時点でインドに追い抜かれており、世界第4位に付けている。2050年までにはインドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコに抜かれ、第8位になると予測されている。

GDP_PPP

 なお、PPP換算のGDPは、為替レート(MER, Market Exchange Rate)換算のGDPと比して、成熟国よりも成長著しい新興国が高く出る傾向にあり、長期的に現実の為替レートが購買力平価に近づいていくと考えられている。

 では、MER換算のGDPランキングは2050年までにどうなるだろうか。2016年時点では第1位のアメリカが、2030年の時点で中国に抜かれると予測されている。また、日本は2016年時点ではアメリカ、中国に次ぐ第3位であるが、2030年までにインド、2050年までにインドネシアに追い抜かれ第5位になることが予測されている。ちなみに、インドネシアは2016年時点では第16位とトップ10圏外に位置するが、2030年には第9位、2050年には第4位とMER換算のGDPでも急速な経済成長が予測されている。

GDP_MER

 2050年までという長期スパンの予測で各国GDPを見ると、現在先進国とされている国々の経済が相対的に小さくなり、新興国に取って代わられるトレンドが見えてくる。こうした長期の経済トレンドを頭に入れて、政治やビジネスなど各局面における各国との付き合い方を考えていく必要があるだろう。

Photo via MaxPixel

Text by 酒田 宗一