「女性管理職30%」目標、“残業文化”が最大の壁…このままでは厳しいと海外から指摘

 厚生労働省が29日に発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍で、1992年6月以来、22年ぶりの高い水準となった。15~64歳の就業率(原数値)は72.9%で、前年同月から1.0ポイント上がった。景気回復に伴い、新たに職を求める女性が増加していることが背景にある。女性の就業率は64.0%で、1968年以降で最高になった。

【女性の就業率増加の背景】
 女性の就業率が増加しているのは、企業がパート社員を増やしているため、とウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は指摘している。6月の非正規雇用(契約社員、パートなど)の3分の2は女性であったという。同紙によると、専門家は、女性の正規雇用増加の前段として評価しているようだ。

【女性の活用は経済成長起爆に】
 世界銀行によると、G7の中で、日本の女性の就業率は2番目に低い。

 安倍政権はアベノミクス成長戦略の中で、女性の社会進出を重要課題と位置付けている。育休後の女性の職場復帰や女性管理職の登用を施策の柱とし、女性管理職については2020年までに30%に増やす計画を掲げている。

 これについては海外の期待も大きい。ニューヨーク・タイムズ紙は、アメリカが女性の雇用増で消費が増大したことを挙げている。またゴールドマン・サックスのキャシー松井氏は、日本の女性の就業率が男性と同等になれば、700万人以上の労働力が生まれ、GDPは最大13%増加すると予測している。

【長時間労働が女性の社会進出を阻む】
 総務省の2013年の労働力調査によると、日本の女性の管理職に占める割合は11.2%である。イギリスの34.2%、アメリカの43.7%と比べはるかに低い。何が女性の社会進出を阻んでいるのだろうか。

 厚生労働省の雇用均等基本調査によると、女性管理職が1割未満の企業経営者の17.9%が、その理由を「女性自身が希望しない」と答えている。

 日本企業に残業して当たり前という文化があるうえ、家庭の子育て負担は母親1人が背負っているのが現状、とブルームバーグは指摘している。メルボルン大学の大石奈々教授は、長時間労働を強いる企業文化が変わらない限り、いくら安倍政権が力を入れても女性自身が昇進を望まないだろう、と同メディアにコメントした。

 そんな中、長時間労働を見直す企業も出てきた。例えば日立は、長時間労働をやめ、能力実績給与体系を導入し、2020年までに女性管理職を2倍の1000人にする計画だという(ブルームバーグ)。

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Text by NewSphere 編集部