4月貿易赤字、なぜ大幅縮小? 中国輸出の好調、増税反動で輸入鈍化と海外紙分析

 財務省が21日発表した4月貿易統計速報によると、輸出入の差額を示す貿易収支は8089億円の赤字だった。過去最長となる22ヶ月連続の赤字で、比較可能な1979年以降最大となった。

 ただ、赤字額は前年同月比で7.8%縮小した。輸入額は前年同月比3.4%増、輸出額は5.1%増だった。

【主因は、消費税・環境税のダブル増税の反動】
 消費増税前の駆け込み需要や環境税(石油石炭税)増税前の前倒し輸入の反動で、輸入の伸び率が鈍化したことが原因だとみられる。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、アベノミクスにとって矛盾した結果だと報じた。

 日本銀行の積極的な金融緩和を受け、円が大幅に下落したが、世界経済が低迷する中、輸出は期待するほど上がらなかったと指摘。貿易収支は赤字のままで、日本が巨大な財政赤字をどうするかについて懸念が高まっていると報じた。

 また、輸入額増加の背景には、原発稼働停止で(火力発電用)化石燃料の使用が増加したことや、中国などコストの安い国への外注など、日本経済の構造変化がある、と同紙は考察している。

 一方ブルームバーグは、安倍政権が目指す持続的な景気拡大や脱デフレの達成に追い風だと報じた。

【世界的に需要が低迷する中、中国輸出は好調】
 世界の第1四半期の域内総生産は、ユーロ圏は年率わずか0.8%増、アメリカは0.1%増で、中国も緩やかだ。

 それでも中国への輸出は好調で9.8%増だった。スマートフォン部品の輸出が3倍となり、自動車の輸出は26%増となった。

「中国経済は減速しているかもしれないが、成長ペースはかなり早く、個人消費は着実に増加傾向にある」という、政府当局者の見解をウォール・ストリート・ジャーナル紙は掲載している。

【日銀は「少なくとも100兆円」増やすべき】
 日本銀行は21日、資金供給量(マネタリーベース)を年間60~70兆円増やす、現行の金融政策を維持することを決定した。

 CNBC によると、日本の景気刺激策を妨げているのは、アメリカ金利の信じられない低下だ、とBKアセット・マネジメントのボリス・シュロスバーグ氏が指摘している。同氏は、経済を刺激するためには、日本銀行は「少なくとも100兆円」増やすべきだと語っているという。

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Text by NewSphere 編集部