消費税増税、選択の余地なし IMF提言

 国際通貨基金(IMF)は5日、日本経済についての評価報告で、日本経済が緩和政策によって長年の停滞から回復しつつあると評価した。一方、長期的な成長維持のためには、本格的な構造改革と、債務削減のための「信頼できる中期的財政計画」が必要だと提言した。

 2014年4月以降に予定されている消費税増税については、安倍政権内でも慎重意見が出ているが、IMF理事会では「絶対に必要」との意見が多数派と報じられている。なおIMF理事会には日本の代表も含まれており、事前に日本側との協議も行っているという。

【債務削減の必要性】
 IMFは、2014年にGDPの2.5倍近くに達する日本の債務を懸念していた。高齢化による財政圧迫に加え、インフレ政策に伴い金利も上昇している。何も手を打たなければ、現在0.8%足らずの長期債利回りは、2030年までに5.5%に上昇すると試算されている。これにより、世界の経済成長2%ポイントは損なわれるとIMFは試算している。

 日銀が国債を大量に引き受けている事についても、IMFは、投資家の動向によっては「裏目に出る」可能性があると警告している。

【増税すべき論の一方、慎重論も】
 IMFは、2013年の日本経済の成長率を2%と予測している。

 しかしその後は、震災復興関連支出の減少や、消費税増税により、2014年には1.2%、長期的には1%程度に落ち着くという。

 それでもIMF理事会は、財政再建のためには、増税以外に選択の余地はないと考えているようだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、日本は「短期間に」増税を断行すべきであり、それが政権の本気度の指標になる、とのラガルドIMF専務理事の意見を報じていた。

 ただし、IMF理事24名の中でも数人は、消費税増税の悪影響の可能性に対し、懸念を表明しているという。

【本丸は構造改革か】
 グローブ・アンド・メール紙(加)によると、IMFは他に、女性労働力の活用、移民制限の緩和、TPPによる市場開放、非正規労働者問題の解決、といった優先改革事項を挙げている。

 IMFは、公的債務を削減し、農業、医療、労働部門を合理化する「説得力のある計画」を提示できて初めて、アベノミクスはグローバル経済に利益を与えることができると述べている。「財政構造改革の不完全な進展は信用を圧迫し、新しい政策枠組みの成功を弱体化させる可能性がある」という。

Text by NewSphere 編集部