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「日本は世界から孤立する」燃料電池車の普及にアメリカは懐疑的 その理由とは?

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「日本は世界から孤立する」燃料電池車の普及にアメリカは懐疑的 その理由とは?

 日本と欧州で販売中のトヨタの水素燃料電池車(FCV)『MIRAI』が21日、ついに“本命”のアメリカで発売された。トヨタは、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを使ったプロモーションを展開しており、同日の発売記念インベントも、ハリウッドのスタジオを借りきって同映画のテーマソングが鳴り響く中で行われた。主演のマイケル・J・フォックスや自動車型タイムマシン『デロリアン』が登場するPR映像も公開された。

 MIRAIは、ハリウッドがあるカリフォルニア州で先行販売される。同州だけで既に約2000台の予約が入っているという。しかし、オバマ政権は、より環境負荷が少なく、経済的合理性が高いなどの理由で、FCVよりも電気自動車(EV)の普及に力を入れている。米識者やメディアの間でも、FCVに対する懐疑的な論調が目立つ。対して日本は、2020年東京オリンピックを機に「水素社会」の実現を目指しており、官民を挙げてFCVを強く推している。「水素 vs 電気」が「日本 vs アメリカ」の様相も呈する中、『MIRAI』がどれくらい自動車社会のアメリカで受け入れられるのか注目される。

◆マイケル・J・フォックス「未来が現実になった」
 MIRAIの米国デビューとなった2015年10月21日は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』(1989年公開)で、主人公のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)が、『デロリアン』でタイムスリップした未来と同じ日付だ。地元紙LAタイムズは、発売記念イベントの様子を次のように報じている。

「初期のターザン映画が撮影された歴史ある映画スタジオに、マイケル・J・フォックスと(“ドク”役の)クリストファー・ロイドをフィーチャーしたプロモーション映像が映しだされた。トヨタの幹部たちは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のテーマソングをバックに、ゼロ・エミッションの水素自動車の登場をPRした」。マイケル・J・フォックスは、プロモーション映像の中で「今日、未来が現実になった」と宣言。また、『デロリアン』を彷彿とさせるガルウィングのコンセプトカーも披露された。

◆テスラCEOはFCVを「全くバカげている」と痛烈批判
 FCVは、トヨタのほかに、ヒュンダイが既にアメリカでリース販売している。ホンダも来年に向け市販車を開発中だ。フォード、ダイムラー、ルノー、日産の4社も共同開発を進めている。アメリカ勢では、燃料電池技術を最も多く持つGMも開発に熱心だ。一方、動力を全て電力で賄うEVを販売・開発しているのは、専門ベンチャーの米テスラモーターズをはじめ、日産、三菱、BMW、スバルなどだ。

 アメリカは、ブッシュ政権時代の2003年に水素燃料の普及を推進する方針を打ち出したが、「効率が良いとは言えない水素燃料に投資するよりも、再生可能エネルギーの研究に予算を割くべきだ」などと、批判も多かった。この10年ほどでそうした声が優勢となり、オバマ政権になってからは、EVの普及推進を優先する政策に転じている。

 米フォーチュン誌は、MIRAI発売に合わせて日本が目指す「水素社会」を論じる記事を掲載しているが、その論調も手厳しい。同記事によれば、FCVへの批判を繰り返しているテスラモーターズのイーロン・マスクCEOは、今年の『自動車ニュース世界会議』の席上でも、FCVについて「全くバカげている」と発言した。その論拠は、水素燃料を生産するためには電力が必要であり、直接電力を用いるEVに対し、燃料電池車は非効率的で、「ゼロ・エミッション」とはほど遠いというものだ。

 同CEOは、宇宙ロケットに用いられる水素燃料は爆発性が高く、一般ユーザーが路上で使用するには危険すぎるとも過去に批判している。また、『水素燃料に関する懐疑的な調査』と題した批判論文を発表しているハーバード大のデビッド・キース博士は、水素燃料の環境への影響について、「生産に使われる電気がどこから来るのかによる」と述べている。つまり、水素燃料の環境負荷と、生産に必要な火力発電や原子力発電の環境負荷はイコールだというのが、懐疑派の主張だ。

◆日本の「水素社会」は世界から孤立する?
 一方、日本では、水素こそが近未来の代替燃料だと、官民を挙げて「水素社会」の実現を推進中だ。原理的には、水から酸素を取り除けば水素となる。そのためには、電力を用いた「電解」という処理が必要だ。しかし、水から直接水素を作るにはコストがかなりかかるため、今のところLPガスや石油、天然ガスといった化石燃料を分解して作るのが一般的だ。日本政府は近い将来の有望な原料は、オーストラリアから輸入する石炭だとしている。安倍晋三首相は、水素は「環境に優しく、CO2を全く排出しない」と豪語している(フォーチュン誌)が、「化石燃料に依存する」「電力を使う時点でCO2を排出する」など懐疑的な意見も多い。

 水素燃料をFCVに供給する水素スタンドの普及も課題だ。フォーチュン誌によれば、カリフォルニア州は2004年に、150〜200ヶ所の水素ステーションの建設を進めると発表したが、連邦政府の政策転換やコスト高のため、現在までに完成しているのは30ヶ所以下だという。そのうち、間もなくMIRAIを手にする一般ユーザーが使用できるのはたった2ヶ所。トヨタによれば、2週間以内にあと4ヶ所、年内にはさらに8ヶ所増える(LAタイムズ)というが、同車の300マイル(約483km)の航続距離からしても、あまりに少ない。

 フォーチュン誌はこれらの問題点が解決していない水素燃料に対し、「この10年、世界中でゆっくりとだが、着実にバッテリー、電気自動車、再生可能エネルギー技術が洗練されてきている。日本の水素社会がローカルで成功したとしても、残りの全世界が作ろうとしている未来とは断絶されるだろう」と記す。同誌は、そもそも少子高齢化が進み、移民の受け入れも制限し続けている日本の未来を案じ、「その水素バスに乗る人間はどれほど残っているのだろうか?」と皮肉っている。

(内村浩介)

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