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なぜ500 Startupsは日本を投資先として選んだのか 若者意識の変化で生まれたギャップとは?

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なぜ500 Startupsは日本を投資先として選んだのか 若者意識の変化で生まれたギャップとは?

Y Combinatorといえば、見込みのあるスタートアップ企業を自社の用意したプログラムに一定期間参加させることによって成長させ、投資を行う有名なアクセラレーターである。Y Combinatorを卒業した代表企業には、AirbnbやDropboxなどがあり、シリコンバレーで成功する為の登竜門とも言われている。

こうしたアクセラレーターの形式を採用する企業がアメリカを中心に増えてきており、500 Startupsもその一つである。Y Combinatorと並び、既に韓国や東南アジアに拠点を置くなどグローバルなネットワークを形成している。そして、遂に「500 Startups Japan」が誕生する。ファンドの規模は、30億円規模の運用が見込まれている。

なぜ500Startupsが日本を投資先として選んだのか。彼らの紹介とともに、探っていきたい。

◆世界中に拠点を持つ著名アクセラレーター「500Startups」とは
 500 Startupsは、シリコンバレーを拠点に世界50ヶ国以上1200社以上に出資を行うアクセラレーターである。代表のデイヴ・マクルーアはPaypalやFacebookとの共同ファンド、個人投資家などの経験を経て、同社を創業。

アクセラレーターの特徴は、プログラムに参加し、創業から間もないシードステージのスタートアップが一定期間を500 Startupsプログラム内で過ごす点にある。この期間に、企業は同社に蓄積されたノウハウを学ぶだけでなく、彼らが培ってきたネットワークを存分に享受することができる。デイヴ・マクルーアは500 Startupsに関わった企業は「500ファミリー」と呼び、より企業間同士の付き合いを活発にしようと試みている。この点において、グローバルに拠点を持つ、大規模な動きをする500 Startupsには強みがある。

◆「500ファミリー」の次なる一員に日本を選んだのはなぜなのか?
 世界中に「500ファミリー」を持つ、という理念を抱く500 Startupsだが、今回の500 Startups Japan設立への動機には疑問があった。日本はスタートアップがそれほど盛んな国ではない。これは数字だけでなく社会全体の雰囲気からもいえる。

大企業の新規事業で盛り上がり、力のないスタートアップには風当たりが強いというのが現状である。アクセラレーターにとっては、国境を越えてまで進出を図る面白みはないのではないだろうか。500 Startups Japanの責任者へ就任したJames氏のブログでは、2つの事実から日本進出への意気込みを語っている。

 まず、若者のキャリアに対する考えの変化を挙げている。企業の戦力となる20代から30代の社会人は、「失われた20年」を生きている。安定していると言われた大企業でさえ、レイオフを行うことがある。こうした中で優秀な若者は、就職する企業の大きさよりも、自分の社会的スキルを担保にキャリアを積まなくてはならない、と考える傾向が強くなっている。例えば、2008年と2014年の間に、「寮内スタートアップ」の数は、日本のトップ大学である東京大学では57%、京都大学では31%増加したという。自ら起業して生きていく一つの選択肢も学生の間で浸透しつつあると言える。

 もう一点が、そうした空気の変化にもかかわらず、日本での投資が未だ世界と比べると消極的である点だ。エンジェル投資額は日本とアメリカで約200倍、ベンチャー投資額も約50倍の開きがある。この2つの事実から導き出されるのは、若いスタートアップが挑戦する受け皿が日本にはまだ成立していない、ということである。500 Startupsは「アメリカを中心としたグローバルネットワークへの繋ぎ橋」を武器に市場を占有しようというのである。
 
◆日本から世界で通用するスタートアップを生み出すチャンス
 500 Startupsはこれまで数多くの企業に投資を行ってきた。Webから簡単に電話を操作することができるAPIサービスであるTwillo、カードの信用情報を簡単にチェックすることができるCreditKarma、東南アジアで使われている配車サービスGrabTaxiが有名企業である。1200の投資企業のうち、900がアメリカ、200がアジア中心、そして100がヨーロッパである。

今回の日本進出に際して、「日本のスタートアップ企業をアメリカにイグジットする」ことを一つの指標に置いている。世界にインパクトを与える日本企業は未だ姿を現していない。今回の500 Startupsの試みでユニコーン企業ならぬ、天狗のような企業が出てくるのが楽しみである。

(山田俊輔)

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