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国産ウイスキー、過去最高1400万円で落札 コレクターが日本の蒸留所に注目する理由とは

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国産ウイスキー、過去最高1400万円で落札 コレクターが日本の蒸留所に注目する理由とは

 1960年に長野県で生産されたウイスキー「軽井沢」が、香港で28日に開かれたオークションで、日本製シングルモルトウイスキーとしては過去最高値の91万8750香港ドル(約1436万円)で落札された。

 今、こうした希少性の高いコレクション品のウイスキーの価格が急騰している。なかでも日本製ウイスキーに人気が集中しており、本場のスコッチ・ウイスキーを大きく凌駕する勢いだという。英国の専門家は「これが一時的なブームで終わるか、長期的傾向の始まりなのかは分からない。注意深く市場を見守っていきたい」と述べている。

◆ロット買いでも日本製ウイスキーが最高値更新
 過去最高額で落札されたのは、1960年ものの「軽井沢」。3年前に閉鎖された長野県御代田町のメルシャン軽井沢蒸留所で41本のみが生産され、52年間樽で熟成された後、原酒を買い取ったイギリス企業が瓶詰めした。オークションの主催者「ボナムズ」によれば、落札したのは電話で参加したある東南アジアの入札者だという。

 この入札者は、他にも日本の「羽生イチロー」(埼玉県・羽生蒸溜所−2000年に閉鎖)54本を、これもロット買いの過去最高額の379万7500香港ドル(約5935万円)で落札した。競り負けた香港のバイヤーは、「今回のオークションには驚いた。上海市場の混乱は何の影響もなかったようだ」と肩をすくめた(ブルームバーグ)。

◆日本製ウイスキーに人気が集中
「軽井沢」のような絶版品や希少性の高い限定販売のウイスキーの人気は、本場英国でも急上昇中だ。希少ウイスキー市場の指標をまとめている英業者『Rare Whisky 101』によれば、イギリスのオープン・マーケットでは今年上半期、昨年同期比35%増の2万638本のシングルモルトウイスキーが売れた。売上は34%増の460万ポンド(約8億5600万円)だった(英フィナンシャル・タイムズ紙=FT)。

 その人気を牽引しているのが日本製ウイスキーだ。英テレグラフ紙によれば、伝統的なスコッチ・ウイスキーの人気銘柄のトップ50の上半期平均価格が2%しか上がらなかったのに対し、「軽井沢」は66%アップした。同紙は「コレクション品の分野では、スコッチ市場の伸びは日本製ウイスキーに比べれば色あせて見える。コレクターたちの視線は急速に日本の蒸留所に向かっている」と記す。

 その背景には、一次市場でも日本製ウイスキーの評価が高まっていることがあるようだ。直近では、国際的な権威がある英国のウイスキーガイドブック「ウイスキー・バイブル」2015年版で、サントリーの「山崎シェリーカスク2013」が日本製として初めて世界最高のウイスキーに選ばれている。一方、スコッチ・ウイスキーは初めてトップ5に1本も入らず、ウイスキーがスコットランドの特産品から世界のものになった事を如実に示した。

◆一次市場では売上不振、品質低下も
 しかし、オークション市場の好調とは裏腹に、一次市場のウイスキーの売上は低迷している。本場イギリスでも昨年、スコッチ・ウイスキーの売上が前年から7%下がった。『Rare Whisky 101』のアンディ・シンプソン氏は、一般消費者の嗜好が変化する中、十分に熟成されていない若いウイスキー(non-age stated=NAS)が大量に出回るなど、平均的な品質の低下も顕著だと指摘する。一方で年代物のレア・ウイスキーの在庫は徐々に減っており、奪い合いの状況が生まれて価格高騰につながっているようだ。シンプソン氏は「ブームは古いものや絶版品に集中している」と述べている(テレグラフ)。

 各蒸留所は、ビンテージ・ウイスキーの流行に乗り、近年は高価格の「プレミアム・シングルモルト」「ウルトラ・プレミアム・シングルモルト」などのいわゆる「限定品」の販売に力を入れているという。しかし、シンプソン氏はその多くは品質よりも巧みなマーケティングに頼ったものだと指摘。「最近の限定品の多くはそれほどレアでも“限定”でもない」と語る。また、多くの蒸留所が「年齢へのこだわり」を捨てたため、二次市場でも「良い」ボトルと「悪い」ボトルの二極化が進んでいると、同氏は指摘する。『Rare Whisky 101』によれば、トップ100銘柄が前年比で9%値上がりしているのに対し、ワースト100は7%下げている。

「伝統的なスコッチのブランドは、これからももちろん、コレクターの人気を集め続けるだろう。しかし、『軽井沢』などの海外ブランドの勃興が、ウイスキー・コレクターの視野を広げ、傾向を変えたのは間違いない」と、シンプソン氏は語る(テレグラフ)。今後もウイスキーの国際化が日本発で進むのか、注目される。

(内村浩介)

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