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タカタ会長謝罪も…米紙は厳しい論調“1年間不在の説明なし”“今期黒字は楽観的”

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タカタ会長謝罪も…米紙は厳しい論調“1年間不在の説明なし”“今期黒字は楽観的”

 タカタ製の欠陥エアバッグを巡る問題で、同社の高田重久会長兼社長が25日、初めてメディアの前に姿を表し、公に謝罪した。昨年来、同社のエアバッグの異常破裂によって少なくとも8人の死者と130人の負傷者が出たと特にアメリカで問題にされているが、トップの高田会長が公の場に一切出てこなかった事も強く批判されていた。それだけに、米メディアも東京で行われたこの会見を大きく報じている。

 また、トヨタ、日産、三菱自動車は同日、合計約320万台の追加リコールを発表した。対象の大半が欧州、日本、中国で、リコールの嵐が北米を越えて世界中に広がった。また、米議会では、タカタ幹部への公聴会が開かれ、賠償の要求や原因追求が続いている。

◆問題発生後、初めて会見
 高田会長の記者会見は、都内で開かれた年次株主総会の後に行われた。同会長は、「事故で亡くなった方にお悔やみ申し上げる。被害にあわれた方に心よりおわびする」と深々と頭を下げ、初めて直接被害者に謝罪した。また、過去最悪の大規模リコールに発展したこの問題について、「重い責任を感じている」とも述べた(ニューヨーク・タイムズ紙=NYT)。

 一方、事故の原因については「究明中」だとして具体的な説明は避け、被害者への賠償についても検討中だと具体策を示さなかった。また、辞任の意志を問われると、問題を解決するのが自分の責任だとして否定した。NYTは、これらの高田会長の受け答えを「謝罪はしたが、タカタの製品は基本的に安全だと擁護した」と批判を込めて伝えている。

 タカタは創業家の高田一族の持株会社が大半の株を保有するいわゆる同族経営会社だ。現在49歳の重久氏は創業社長の孫で、昨年12月、解任されたスイス人のストッカー社長の後を受け、従来の会長職と社長を兼任した。NYTはこの交代劇についても、「腰が重く、コミュニケーション不足だと批判されてきたタカタの対応に、目に見える効果はほとんど与えていない」と批判している。高田会長は昨年の株主総会で、株主に向けた謝罪は行っている。

◆米メディア、政界に根深い不信感
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は、高田会長は記者会見で、社長兼任以来、公の場での対応をしてこなかったことについて、「十分な説明責任を果たして来なかったことを後悔している」と謝罪したと記す。一方、NYTは「高田氏は、問題が大きくなりきっていたこの1年以上にわたって姿をくらましていた理由を説明しなかった」としている。タカタはこの日、記者会見前の株主総会をメディアに公開するとしていたが、直前になって取り消している。こうしたチグハグな対応も相まって、高田会長とタカタに対する不信感は根深いものがあるようだ。

 米議会でも厳しい追求が続いている。米上院は23日、公聴会を開き、リチャード・ブルメンソール上院議員(民主、コネチカット州)が、タカタ北米子会社のケビン・ケネディ上級副社長を責めた。ブルメンソール議員は、被害者の賠償を行う補償基金の設立を強く要求。同議員は、「ゼネラル・モーターズ(GM)は点火スイッチの欠陥による事故被害者を対象にした補償基金を設けているが、タカタには同様の基金設立の意志はあるのか」と問いただした。これに対し、ケネディ副社長はその場で明言を避けたため、ブルメンソール議員は2週間以内に回答するよう求めた。これについて、高田会長は東京での記者会見で、基金の設立を「検討中」だとしたが、あくまで賠償の方法の選択肢の一つだと具体策は示さなかった(WSJ)。

 記者会見と公聴会では、事故原因も厳しく追求された。タカタ側は、従来からの「北米工場での製造過程のミス」については認めたが、多くの専門家が指摘する「硝酸アンモニウムの使用」については、「我が社は10年以上硝酸アンモニウムを扱っており、様々なテストも重ねている。安全で信頼できると自分は考えている」と高田会長自らが否定した。タカタは硝酸アンモニウムをエアバッグを展開させるための起爆剤に用いているが、他のメーカーは安定性に欠けるとして採用していない。

◆世界に拡大する「終わりの見えないリコール」
 リコールの拡大も収まりそうにない。この日、トヨタは2003年4月から2008年12月までに製造された24車種などの286万台の追加リコールを発表した。このうち172万9000台がヨーロッパ、36万台が日本、19万台が中国だ。BBCは北米で始まった大規模リコールが、「これで世界中に広がった」と報じている。

 日産も2007年4月から2008年12月にかけて作られた『ナバラ(イギリス向けフロンティア)』、『キャラバン』、『ティアナ』など19万8000台を追加リコール、三菱自動車も12万台のリコールを発表した。また、韓国政府は、タカタ製エアバッグを扱うホンダなど4社に約2万4000台のリコールを命じた。アメリカでは5月にリコール台数が2倍に増やされ、過去最悪の3400万台が対象になっている。

 タカタの株価は、昨年度から40%下落し、295億円の赤字を計上し、昨年度の株主配当の支払いを停止した。同社は今年は黒字に戻ると予測を発表しているが、NYTは、北米で予想される訴訟や終わりの見えないリコール問題により、「アナリストたちはこの予測は楽観的すぎると見ている」と懐疑的だ。

(内村浩介)

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