自動車ブランド米品質調査、日本メーカーが上位独占 スマート車載システムに評価

 アメリカの消費者情報誌「コンシューマー・レポート」による、自動車ブランドの信頼度調査で、トヨタ自動車の大衆車ブランド「トヨタ」と高級車ブランド「レクサス」が、2年連続で1・2位となった。

◆日本勢上位4位独占
 同調査では、マツダが3位、ホンダが4位に入り、上位を日本勢が独占した。富士重工業のスバルと、トヨタの若年層向けブランド「サイオン」も10位以内に入った。

 同誌の調査は、アメリカの消費者行動に大きな影響を与えるとされる。日本車がアメリカで高く評価されたのはなぜだろうか。

◆購入者はインフォテインメントシステムに注目
 コンシューマー・レポートは、今年の調査について、「ナビゲーションやオーディオなど車載インフォテインメント(情報・娯楽)システムの品質が最も大きく影響した」と説明している。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)も、アメリカの消費者は、リコール数より同システムのパフォーマンスを気にしている、と報じる。

 同誌のジェイク・フィッシャー氏(自動車調査責任者)は、トヨタは新機能の導入を慎重に進め、高い評価を得ていると分析したという(ロイター)。

 フリーズするタッチスクリーン、携帯と同期しないブルートゥース、動かない多機能制御システムなどが、消費者の不満の上位を占めた、と同調査は伝えている。

 例えば日産のインフィニティQ50のシステムは、最悪のシステムの一つとしてランクインした。WSJによると、5人中1人の消費者は不満の声を上げている。日産は、システムの信用性を改善すべく、ディーラーを通じてソフトウェア修復サービスを提供している。

◆中小メーカーの大健闘
 同調査では、規模や資本の点でトヨタなどの大企業に劣る、マツダや富士重工業等の中小メーカーの大健闘が見られた。

 円安の波に乗り、マツダとスバルは北アメリカにおいて好調な売り上げを記録している。スバルは今やフォルクスワーゲンを凌ぐ勢いである、とエコノミスト誌は指摘している。

 不況の中、資金不足に悩む中小メーカーが成功したのはなぜだろうか。弱みを強みに変えた例として、エコノミストはマツダを取り上げている。マツダは、資金のかかるハイブリッド車や電気自動車ではなく、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの効率を大幅に改善することに注力した。マツダが数年前発表し、市場の称賛を集めた「SkyActiv」技術だ。

 二酸化炭素排出規制の厳格化が予想される中、資金の限られている中小メーカーの道のりは険しい。しかし、独自の技術で、世界の競合メーカーとどのように渡り合っていくのか、注目されている。

トヨタ対VW(フォルクスワーゲン) 2020年の覇者をめざす最強企業 [amazon]

Text by NewSphere 編集部