日本の服飾輸出入が増加 「中国プラスワン」参入を図る海外企業、日本市場に期待 

 近年、日本の服飾輸出が増加している。同時にパキスタン、バングラデシュからの服飾輸入も上昇している。メディアは、海外企業が期待する日本市場の可能性を報じた。

【日本の服飾輸出入が増加】
 財務省の暫定貿易統計によると、2014年3月の時点で日本の服飾輸出が、年間8.6%増加し2651億4600万円になった。ファッションビジネスサイト『Fibre2fashion』によると、
同月の日本アパレルや衣類・アクセサリーのアジア諸国の輸入は2468億2700万円、うち中国が1860億6299万円を占めている。

 輸出量とともに輸入量も増加している。中国からの輸入量は年間4.8%増、ASEAN地域からは年間22.1%増で479億400万円となっている。またEUからは年間15.1%増で124億3900万円、アメリカからは0.6%増の21億4300万円となった。織物糸と布の輸入も同時期に772億800万円で20.5%増となっている。

 総合的に日本の服飾輸入は年間21.1%増加して3兆2470億円、糸・布の輸入は19%増の8497億8500万円になった。

【パキスタンが期待する日本市場の可能性】
 先日パキスタンのラホール市で、パキスタン貿易開発庁(TDAP)と日本の国際協力機構(JICA) 協力のもと、日本市場への参入を図る企業向けにワークショップが開催された。『Fibre2fashion』によると、75以上の繊維工業代表と企業が参加、日本市場の求める必要条件と、“パキスタン製”商品の宣伝の意義を議題とした。

 ワークショップでTDAPのSM Muneer最高責任者は、両国の経済的協力を基盤にした60年に渡る友好関係を再確認し、今後貿易と投資において日本からのさらなる協力を得るために努力することを約束した。日本繊維輸入組合(JTIA)の神山義明主任研究員は、日本市場の可能性と同時に、質、デザインを始めとする日本市場の要求に応えることの必要性を説明した。

【日本の輸入戦略に可能性を見出すバングラデシュ】
 バングラデシュ輸出振興庁(EPB)によると、日本への輸出量は2013年6~12月で37%急増しており、1年前同時期の2億1600万米ドル(221億円)から2億9700万米ドル(304億円)に上昇した。2012年事業年度で4億7848万米ドルへの増加となった。

 バングラデシュ政府高官はファッションニュースサイト『Just-Style』に、同国の衣類輸出は増加し、質と生産量の向上により今後1年間に10億米ドル(1023億円)に達する可能性を示した。バングラデシュ輸出振興庁(EPB)のBose副議長は、「我々の商品に興味を示す日本の買い手が増えている。日本の“中国プラスワン”輸入戦略に我々の製品が適合した」と分析する。

 衣料品製造業者輸出業者協会(BGMEA)副社長は、価格、容量、質の向上が日本への輸出を盛んにしていると話す。関税なしで輸出できることも大きな要因で、今後さらに輸出が増加すると予測している。2011年の震災以降、出荷が上昇したと、バングラデシュニット製造輸入協会(BKMEA)の元社長は指摘する。

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Text by NewSphere 編集部