カプコン、業績予想半減 “モバイルより家庭用ゲームに集中して”との海外ゲームユーザーの声も

 大手ゲームメーカー、カプコンが、平成26年3月期の業績予想を大幅に下方修正することを発表した。海外のゲームサイトが報じている。

【50億円の損失計上とその理由】
 カプコンは3月31日付プレスリリースで、今年度の営業利益を120億円から100億円へと見直すことを公表した。同社はゲーム市場の変化を理由として挙げ、開発体制の再編と開発プロセスの改革による収益管理に取り組んでいるものの、いまだ成果を出すには至っていないと述べている。また、「モンスターハンター フロンティア G」の低調も理由とされている。モバイルコンテンツ関連の「事業構造改善費用」等の計上で、純利益予想は68億円から33億円へと半減することになる。

 一方で、売上高は970億円から1015億円へと上昇が見込まれている。「モンスターハンター 4」と、パチスロ機「モンスターハンター 月下雷鳴」の売上げが好調に推移したためと説明されている。

【既存コンシューマーゲーム事業とモバイル事業とのバランス】
 ゲーム情報サイト『Polygon』の報道によると、「今日のモバイルゲーム産業は、ヒットによって財産を築くという夢に満ちた世界だ」とカプコンは当初述べているが、「しかし、一度切りのヒットであれば、成功も一時的だ。カプコンにとっては、努力の末に獲得してきたユーザーのサポートを維持し深めることが重要である」と述べる。

 ゲーム情報サイト『Siliconera』は、カプコンのコンシューマーゲーム事業と、それがモバイルコンテンツビジネスにおいて果たす役割の重要性を、昨年後半に同社の辻本社長が強調している、と伝えている。

【海外ユーザーの予想範囲内なのか?】
 ゲーム情報サイト『CVG』や『Siliconera』、『Polygon』の読者は、このニュースに対して以下のようにコメントしている。今回の業績悪化はそれほど意外でもないようだ。

・カプコンが、新タイトルのリリースのたびにコアなユーザーを疎遠にしてきて、それで利益を上げられると考えてるってことが驚きだ。それでこのニュースだよ、掌中のドルを粗末にして他のドルを追う独りよがりの希望を追って業績悪化って。(Siliconera)

・「ロックマンDASH3 PROJECT」の開発を中止したときから何も変わってない。心の一部では、まだあのゲームができてほしいと思ってるんだ。(Polygon)

・モバイル事業がうまくいってないと聞いて嬉しい。これで多分彼らもコンシューマーゲームの開発に集中できるだろうから。(CVG)

・彼らも時間と才能をモバイルのクソに無駄遣いするのをやめてコンシューマーゲームをもっと創り始めるだろ。カプコンには成功するための知的財産がある、効果的に使う気がないだけのように見えるんだ。(CVG)

・もう一歩進んで行動しようぜ、カプコンさんよ。ポップカルチャー関連の人気ブランドを出したお宅みたいな会社が停滞して沈んじゃうのを見るのは忍びないんだ。(Siliconera)

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Text by NewSphere 編集部