日本の風力発電は“今がチャンス” GE、再参入のねらいとは

 風力発電機大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は26日、日本向けの風力発電タービン2.85-103(定格出力2.85MW、ブレード直径103m)を発表した。日本特有の乱流や台風、落雷を考慮した設計で、日本の法規に準拠するという。

 東京で開催中の「Wind Expo 2014(国際風力発電展)」で、GEパワー&ウォーター、再生可能エネルギー部門のアン・マッケンティ社長兼CEOが概要を説明した。

 同氏によると、「日本の総合エネルギーの多様性が鍵となる」という。福島第一原発事故後、原子力にかわり天然ガスや石炭の需要が伸びたとしつつ、「燃料不要で二酸化炭素を排出しない、再生可能エネルギー分野で可能性がある」と語った。

【FIT制度導入も、再生可能エネルギーのうち風力はわずか1.1%】
 GEは2007年、事業悪化のため日本から撤退。今回、再生可能エネルギーの固定価格買取価格(FIT)を背景に安定した需要を見込み、7年ぶりに再参入したとウインドパワー・マンスリー誌は報じた。

 2012年7月のFIT制度導入以降、新規投資はほとんどない一方、太陽光発電が急成長している。GEの日本への新規投資は「機が熟した」との考えだとブルームバーグは報じた。日本メディアは、早ければ今春から販売を始めると報じている。

 ブルームバーグは、中国やアメリカと比べて日本は風力発電設備がおくれていると指摘。世界風力エネルギー協会によると、2013年末で中国の風力発電設置容量は日本の34倍だという。

 経済産業省のデータによると、FIT制度開始以降、新たに発電した再生可能エネルギーのうち、太陽光は97%、風力はわずか1.1%だという。

【風力タービン修理の世界的イノベーションラボを開設】
 なおGEは世界に2万3000基の風力発電タービンを設置しており、その維持・修理のため1100人の技術者を現場に配置している。ただ、空中数百フィートの風力タービンのギアボックスの修理は簡単ではない。クレーンを借りると、実に高価で時間がかかる。

 そこでGEは約50万ドルを投資し、現場修理をより効率的かつ安全に行うため、アルバニーに風力タービン修理のイノベーションラボを開設したとタイムズ・ユニオン紙は報じた。違うメーカーのさまざまなギアボックスをそろえ、エンジニアらにいろいろなパーツになれる機会を提供するという。

 目標は、風力タービンのライフサイクルコストを削減し、他の電力源より多くの電力をつくること。3D印刷などによるパーツ交換のプロトタイプの試験もしているという。

 GEウィンド・サービシズのグローバルセールスマネジャー、ジェフ・ウィーナー氏は、「クレーンを使わず修理できれば、全体コストは半分に削減する」と期待を語っているという。

日本の知らない風力発電の実力

Text by NewSphere 編集部