ホンダ、世界販売計画を下方修正 タイで販売不振も、強気の姿勢の背景とは?

 ホンダは先月31日、2014年3月期の四輪車・二輪車の世界販売計画を下方修正した。新興国市場の需要が落ち込んだため、従来から約1%下げ、四輪車438万5000台、二輪車は1709万5000台にそれぞれ減少させた。

 ただ、円安効果が寄与し、10-12月の純利益は前年同期比2倍の1607億円、営業利益は同73%増の2286億円とした。

 また、2017年まで世界販売を倍増させる(2012年比)計画の一環として、1‐3月期に世界自動車販売を22%上げる見込みだと語った。

【タイでは販売減だが、中国では現地開発モデルが好調】
 同社は、特に政情不安の続くタイで、四輪車の総需要が15%落ち込むとみている。ただ、1‐3月期の販売計画はタイの販売減少を反映しており、達成を見込んでいる。また、2017年の世界販売目標600万台のうち半分を新興国で販売する見込みだという。

 一方、世界最大の自動車市場である中国では、同社初の現地開発モデル「ジェイド」と「クライダー」が好調で、日中の領土紛争の不安を和らげたとブルームバーグ・ビジネスウィークは指摘した。

 中国汽車工業協会によると、業界全体の自動車の売上高は今年10%も拡大するという。ホンダは2014年、中国で自動車を少なくとも19%増の90万台以上販売する見込みで、2014年、2015年に9つの新モデルを投入し、日産、トヨタの巻き返しを狙うという。

【日本では新モデル「フィット」がトヨタ「アクア」を抜き、好調】
 昨年9月に全面改良した「フィット」は、10‐12期にトヨタの「アクア」を抜き、日本で最も売れた。今月にはアメリカや新興国でも販売する見込みだ。また、同社は2016年までに年間150万台の小型車を世界で販売する目標を掲げている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、新モデル「フィット」「シティ」「ヴェゼル」は今年後半好調だろうと報じた。また、ホンダは10‐12期に売上高が9.7%急増。これらは2011年の日本とタイの大災害からのホンダ復活の証だと同紙は報じた。

 ブルームバーグ・ビジネスウィークは、日本での販売好調は新型「フィット」と消費税増税前の駆け込み需要に支えられたと指摘した。

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Text by NewSphere 編集部