日産の新型タクシー、ロンドンの顔になれるか? 価格と燃費で優勢

 日産自動車は6日、ロンドンタクシー向けの新型車両を発表した。新型車両は、ロンドン市とロンドン交通局等からの意見を参考に、伝統的なロンドンタクシーに見えるように改良された。

【新型車両の評判は?】
 新型車両は2012年8月に発表された「NV200」をベースにしている。「NV200」は現存のロンドンタクシーよりも低燃費であると称賛されたが、デザイン性に劣ると批判された。当時、英ワイアードは、「普通の民間車両のようで、全く伝統的でない」と指摘した。

 日産は、「ロンドン市とタクシー運転手は、人々が誇れるような、ロンドンタクシーの特徴を維持することを望んでいた」と述べた。新車両は「容易にタクシーであると判別できる」ようにデザインされた、とワイアードは報道している。主な改良点として、丸型のヘッドライトとフロントグリルが付けられた。タクシーの表示を見えやすくするためのLEDライトと新しいフロントバンパーパネルも設置された。

 新型車両はまた、タクシー車両向けにロンドン市が設けている厳しい規制にも合致している。具体的には、最大25フィート(7.5メートル)という最小回転範囲の規制である。1906年から存在するこの規制により、タクシーはロンドンに多い狭い道でもUターンすることが可能だ。

【日産に勝ち目はあるか?】
 英デイリー・テレグラフ紙によると、現在、ロンドンのタクシー運転手の選択肢は2つしかない。LTCが生産する伝統的なロンドンタクシーか、メルセデスのVitoだ。認可を受けたタクシー車両2万2,500台中、LTCのロンドンタクシーは2万495台であると、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。

 日産は、同社の新型車両の燃費効率はロンドンタクシーより良く、二酸化炭素の排出量も少ないと述べた。新型車両の価格は、LTCの車両よりも安くなるとも明らかにした。LTC製タクシー車両は3万2995ポンド(約560万円)から3万6790ポンドで販売されている。メルセデスのVitoは4万2370ポンドである。業界関係者は、日産の新型車両の価格が3万ポンド前後になると予想している。

 新型車両は2014年12月に販売される。日産は、排出量ゼロの電気自動車を2015年に販売する予定である。なおロンドン市長は2020年までに市内全てのタクシー車両の二酸化炭素排出量をゼロにする目標を掲げている。

Text by NewSphere 編集部