グーグル対アップル、次は「自動車」で対決か?

 来週からアメリカ・ラスベガスで、コンシューマ・エレクトロニクス総合展「2014 International CES」が開催される。そこで米グーグルと独アウディが、車載向けのアンドロイドアプリ開発で協業することを発表する予定だという。ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。

 米アップルは昨年6月、車載ディスプレイ「iOS in the Car」を発表した。2014年搭載に向け、独BMW、独ダイムラーのメルセデス・ベンツ部門、米ゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダが対応車両の開発を進めている。

【購買者の着目点は、馬力や燃費から、ウェブやスマホへの接続へ】
 同紙によると、グーグルとアウディの協業の目的は、搭乗者に音楽やナビ、アプリなど、スマホの動作性に似たものを車内で提供することだという。ただ、車載用アプリは「視線は道路、手はハンドル」の状況の想定が課題となる。

 その分野ではアップルは既に技術を持っている。受信メールの読み上げや、音声でメールの作成・返信ができる、音声アシスタント機能「Siri」だ。同社は「iOS in the Car」で、地図と「Siri」を統合して車のダッシュボードへ搭載したいねらいとみられる。

 一方、グーグルは、アンドロイドソフトをシステムレベルで車と統合したい考えだという。同社は2006年以来、アウディ、トヨタ自動車、テスラモーターズなどに地図技術を提供している。

 毎年8000万台の新車が売れている自動車業界で、インターネットベースのソフトウエアにとって重要なチャンスが到来している、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。購買者の着目点が、「馬力」や「燃費」から、「走行中もウエブや携帯に接続できること」へ移行していると同紙は指摘している。

【今、世界ロボット市場において、「人にやさしい機械」がキーワード】
 一方、自動車業界で既に進んでいるロボット技術について、グーグルが投資を進めていることも注目されている。グーグルは昨年、ロボット工学関連ベンチャーを8社買収。同社はロボット事業について詳細を明かしていないが、恐らく消費者のためでなく、供給プロセスを自動化するメーカーのためだとCIOトゥデイ誌は推測している。

 アメリカの労働安全衛生庁によると、2009年に同国で起きたロボット関連の死亡事故は20件以上だったという。そこで各社は「人にやさしい機械」を目指して開発に取り組んでいる。2012年、この分野は世界ロボット市場を87億ドルへ押し上げたとインドのビジネス・スタンダード紙は報じた。

 GMはアメリカ航空宇宙局(NASA)と共同で、指先に圧力センサーが埋め込まれた「ロボ・グローブ」を開発中である。GMは、人とロボットの次世代のコラボレーションとして商業化に向けて取り組んでいるという。

Text by NewSphere 編集部