中国1000店舗目指すユニクロ 現地ビジネス誌が指摘する課題とは?

 中国での“アジアブランド調査”の結果、好感度、認知度、購買意欲、全てにおいて、H&Mなどのライバルブランドを抑えトップとなったユニクロ。2013年8月までの、台湾と香港を含む中国市場の売り上げは約1000億円と予測され、これはユニクロ海外市場の約半分を占める。

【上海に世界最大店オープン】
 ユニクロを運営するファーストリテイリングは、9月30日、上海市中心部に世界最大店をオープンさせた。旧百貨店を改装して作られた店舗は地下1階地上5階建て。GUなど4つの傘下ブランドを含めた総売り場面積は8000平方メートルを超え、これまで最大だった銀座店の5000平方メートルを大きく上回る。

 新店舗のショッピング袋には“优上海,新启点(上海から始まる、新しいユニクロ)”の文字が刷られ、この旗艦店に込められた、今後の中国戦略への意気込みが感じられる、とビジネス誌の坏球企业家は報じた。

【2010年までに1000店舗】
 ファーストリテイリングは、2002年に中国進出を開始して以来、212店舗を展開。その約6割にあたる132店が、この1年半の間にオープンしている。

 こうした中国市場の拡大に合わせて株価も上向きになり、2011年から57%上昇。今年度の全体売上額は1兆円を超えた。これを受け、同社は今後も毎年80~100店のペースで中国出店を続け、2020年までに現在の5倍である1000店舗達成を目指している、と坏球企业家は伝えた。
 
【今後の課題 スタッフの教育】
 また同誌は、今後の課題として、人員不足やスタッフの教育などを挙げている。ユニクロは日本式のサービスと品質の良さで、中国人消費者の支持を勝ち取ってきた。1000店舗体制を目指す中で、今後は毎年1000人の現地雇用を計画しており、そうした高水準サービスを徹底するのは難しくなってくる可能性があるという。

 これまで日本人社員を海外に派遣し、現地で店長候補への教育を行う形でスタッフを育成し、海外展開をしてきた同社。今後はさらなるスピードと教育徹底が求められそうだ。

【過去の戦略・日中関係】
 日中関係は、中国展開する日系企業にとって目をつぶることができない問題だ。3年前の反日デモの際、ユニクロの店舗はカタカナの看板を外した。逆にヒートテック商品には“Japan technology”の表示を加えた。

 外側の日本的なイメージは薄くし、中身である商品は日本の高い技術力を強調することで中国人消費者の心をつかんだ、と亚洲纺织联盟は伝えている。

 様々な方法で中国市場を拡大してきたユニクロ。今後の中国戦略からも目が離せない。

Text by NewSphere 編集部