韓国地裁、金正恩氏に賠償命令 爆破で与正氏告発も 南北関係さらに悪化か
◆南北共同連絡事務所の爆破
北朝鮮に対する損害賠償請求は、強制労働に関するものに留まらない。北朝鮮は6月16日、同国開城市にあった南北共同連絡事務所を爆破した。この影響で当該事務所はもとより、隣接する開城工業団地総合支援センターの建物にも被害が及んでいる。また、今後北朝鮮は、金剛山観光地区に韓国側が建設した観光施設の爆破に動く恐れもある。
連絡事務所、支援センターおよび観光施設をすべて合計すると、韓国側の税金でまかなわれた建設費および韓国企業の資産なども含め、被害額の合計は1兆ウォン(約877億円)を超えるとさえ言われる。韓国の朝鮮日報(6月18日)は「北朝鮮に対し、韓国政府と企業の財産に対する『被害補償』を要求すべきとの声が相次いでいる」と伝えている。韓国統一省の関係者は、北朝鮮による一方的な破壊は衝撃的だと述べ、適切な方法で「応分の責任」を追求すべきだとの認識を示した。
その後7月に入り聯合ニュースは、金委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長、および朴正天(パク・ジョンチョン)朝鮮人民軍総参謀長が、韓国において告発されたと報じている。告発を行った右翼活動家の李キョン在(イ・キョンジェ)弁護士は、金与正副部長らが連絡事務所の爆破を指示し、韓国国内における爆発物の使用と公共の建造物の破壊を行ったと主張している。