本質的な国の豊かさ測る「人間開発指数」、日本は最良グレード 順位はダウン

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◆コロナ期以降のめざましい回復
 パンデミック中に落ち込みをみせたHDIは、急速に回復している。国連ニュース(3月13日)は、HDIを発表した国連開発計画の2023-24年版『人間開発報告書』をもとに、「人間開発指数(HDI)は、COVID-19パンデミックによる2020年と2021年の急落を経て、最高の値を更新した」と伝えている。

 1990年以降、新型コロナウイルスによるパンデミック期間を除き、HDIの世界平均は右肩上がりで推移してきた。1990年の世界HDIは0.601だったが、2019年に0.739まで上昇。コロナ期に0.732まで一時下降したものの、最新の2022年データで0.739まで持ち直し、過去最高を記録した。

 1990年から2022年への推移を項目別に見ると、各指標とも向上している。平均寿命の世界値は65.1年から72.0年に、平均就学見込み年数は9.3年から13.0年に、平均就学年数は5.9年から8.7年に、人口あたりGNIは9678ドルから1万7254ドル(ともに2017年購買力平価換算)にそれぞれ伸びた。

 コロナ期に一時的に落ち込んだHDIだが、最新の2022年データでは以前同様の右肩上がりに戻っている。UNDPの総裁のアヒム・シュタイナー総裁は、世界規模で捉えたHDIについて、パンデミック明けに「めざましい回復」があったと述べている。

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Text by 青葉やまと