なぜ韓国で「イエスジャパン」ブーム? 「ノージャパン」から反転、その理由とは
◆アニメ作品のヒットで抵抗感和らぐ
こうした傾向には、世代による違いが大きい。中央日報は、とくに1980〜2010年に生まれた韓国のMZ世代は、歴史問題よりも実用性と個人的な利得を重視し、自分たちの生活を優先するという。40代以上は日本文化に抵抗感があるケースが多い一方で、10~30代は幼い頃から日本のアニメや文化に親しんでいるため、抵抗感が少ないと記事はいう。
アニメ映画に関しては、ここ数年、日本で話題となった大型作品については、韓国でもヒットしているものが多い。ハンギョレ紙(1月8日)によると、2023年公開の『すずめの戸締まり』が557万人の観客を動員し、韓国で最大の興行収入を記録した。『THE FIRST SLAM DUNK』は477万人、『君たちはどう生きるか』も197万を動員した。若い観客が「世界最高水準の日本のアニメ」に対し、「期待と信頼を持っている」ためだと同紙は分析する。
これは1970年代以降の日本アニメの扱いとは雲泥の差だ。同紙は当時の韓国で、日本文化を暗黙的に封じる機運があったと解説する。鉄腕アトム、キャンディ・キャンディ、マジンガーZなどの日本のテレビアニメは、背景や主人公の名前を変え、「倭色除去(日本色抜き)」されたうえで、韓国で放送された。
今日では一転、日本作品をそのまま楽しむ環境が整っている。中央日報によると、『SLAM DUNK』のポップアップストアは大人気を博し、「シャネルやグッチのような高級ブランドにも劣らない」ほどの行列ができたという。