韓国地裁、金正恩氏に賠償命令 爆破で与正氏告発も 南北関係さらに悪化か
韓国国内において、北朝鮮の過去の行いに対して賠償を求める機運が高まっている。ソウル中央地裁は先月7日、朝鮮戦争で北朝鮮の捕虜となり、強制労働に従事させられたとする韓国軍兵士2人の主張を認め、金正恩氏に賠償を命じる判決を下した。アメリカの裁判で用いられた方式の活用により、実際に北朝鮮に賠償金を課すことは可能だとの公算もある。
◆北朝鮮に賠償命じる
裁判は北朝鮮と金正恩労働党委員長を相手取り、元韓国軍兵士の2人が損害賠償を請求したものだ。1950年から53年までの朝鮮戦争中、北朝鮮の捕虜となり強制労働に従事させられたとして、ソウル中央地裁に提訴していた。
判決は原告側の主張を認め、2100万ウォン(約185万円)を2人それぞれに支払うよう北朝鮮と金委員長に対して命じている。内訳は強制労働に対する賃金が1100万ウォン(約97万円)、精神的苦痛に対する慰謝料が1000万ウォン(約88万円)だ。
朝鮮戦争が1953年に終結した後も、捕虜であった2人は北朝鮮への抑留が続いていた。原告によると、33ヶ月間にわたり炭鉱での労働を強いられたという。2人は2000年および2001年にそれぞれ脱北している。